夜な夜なシネマ

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『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』

2020年03月23日 | 映画(ら行)
『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』(原題:地球最后的夜晩)
監督:ビー・ガン
出演:タン・ウェイ,ホアン・ジュエ,シルヴィア・チャン,チェン・ヨンゾン,リー・ホンチー他
 
こんなご時世でも映画に普通に行っております。
もともと映画を劇場で観る人は少ないから空いている。
コロナのせいで空いているという印象はありません。
時間休を取ってシネ・リーブル梅田へ。
 
前半は2Dなのに後半が60分間3Dのワンカット撮影という映画史上初の試み。
ビー・ガン監督は1989年生まれの31歳だから、
本作が発表された2018年はまだ28歳だったという中国期待の新鋭です。
世界中で話題になっているようで、一応観ておかなあかんかなと思いまして。
 
幼なじみの白猫(パイマオ)から預けられたリンゴの箱を、
ズオという男に渡しに行くことになっていたルオ・ホンウは、
すっかりそれを忘れてそのままに。
やがて白猫が何者かに殺されたことを知る。
腐らせてしまったリンゴの箱の下には拳銃が入っていた。
 
かつてあったそんなことを思い出していると、父親の訃報が。
それを機に、ルオは故郷の凱里(かいり)へ12年ぶりに帰る。
 
凱里で考える、ある女のこと。ズオの愛人だったらしい。
彼女は香港で有名な女性歌手ワン・チーウェンと同じ名前を名乗ったけれど、
それが本名だったのかどうかもわからない。
忘れようとすれば必ず夢に現れる彼女の面影を追い、さまようルウ。
 
不思議な映像に最初は興味を惹かれて食い入るように観ていたのですが、
前半の途中から睡魔に襲われ、うつらうつら。困った(笑)。
このままずっと寝てしまいそうだと心配していたら、噂の後半部分に。
 
訪れたポルノ映画館でルウが居眠りをして目覚めたところからが
“ロングデイズ・ジャーニー”、3Dです。
シネ・リーブルでは2D版しか上映していないから私が観たのは2D。
それでも何なのでしょう、この3D感。初めての体験です。
 
話はとにかく難解。凡人が一度観ただけで理解できる内容ではありません。
時間を行きつ戻りつ、同じ人が違う人物として何度も出てくるし、
同じ話を違う人が聞かせてくれるし、ものすごく哲学的。わからん。
 
ビー・ガン監督の生まれ故郷はもちろん貴州省凱里市。
ウィキペディアを見ても最小限の情報しかなく、どんなところなのでしょう。
 
中島みゆきの“アザミ嬢のララバイ”が流れるシーンがあります。
その雰囲気が作品にとてもよく合っていて驚きました。
 
わからないのに、なんだか癖になりそうな作品。
最後まで観て、また最初に戻る。エンドレスで観ても話が繋がりそう。

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