夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『くすぶりの狂騒曲』

2024年12月24日 | 映画(か行)
『くすぶりの狂騒曲』
監督:立川晋輔
出演:和田正人,駒木根隆介,辻凪子,永瀬未留,徳井義実,岡田義徳,時岡司,吉田壮辰,
   東虎之丞,柾賢志,大村わたる,高津戸信幸,重岡漠,金森規郎,伊勢村圭太,平岡亮他
 
前述の『ドリーム・シナリオ』を観終わり、109シネマズ大阪エキスポシティからイオンシネマ茨木へ移動。
 
もともと落語が好きで、たまに寄席には足を運んでいましたが
なんばグランド花月(NGK)は未体験ゾーンでした。
中学生か高校生ぐらいのときにうめだ花月に行ったことはあるけれど、その後は記憶なし。
両親が新喜劇を観なかったせいか、私も新喜劇に興味を持つことなく、
『よしもと新喜劇 映画 商店街戦争 SUCHICO』(2016)を観たときに、へ~、こんななのねと思いました。
 
の闘病生活が始まった折、なんだかとても笑いたい心境に陥り、
弟にも話したら、「行ってきたらええやん。行っておいでよ」と言われ、私のNGK通いがスタート。
今は少なくとも月2回、多ければ週1以上のペースで月5回のときもあります。
 
そんな感じではあるものの、お笑いに関してはまだまだ初心者で、芸人の名前もあまり知りません。
NGKに出演している芸人か、テレビで頻繁に見かける芸人しかわからない。
だから、NGK以外を拠点に活動している芸人さんと言われても全然ピンと来ないけれど。
 
本作は大宮ラクーンよしもと劇場で“大宮セブン”と呼ばれた芸人たちの下積み時代の軌跡。
ドキュメンタリーではなく、実在の芸人を俳優が演じています。
 
高校の同級生同士で漫才コンビを組むタモンズ。
ネタ作りとツッコミ担当の大波康平(和田正人)とボケ担当の安部浩章(駒木根隆介)は、
2006年にこの世界で活動しはじめたが、東京でさっぱり売れぬまま。
2014年にさいたま市大宮区で創業した大宮ラクーンよしもと劇場で、
囲碁将棋、マヂカルラブリー、GAG、すゑひろがりず、ジェラードンと共に“大宮セブン”と名付けられ、活動を開始する。
 
客がひとりいるかどうかというときもあり、くすぶりつづける彼ら。
しかし支配人の名越総一郎(徳井義実)は「焦るな。結果は後からついてくる。おまえらオモロイんやから」と言い……。
 
お笑い芸人を主人公にした作品の舞台シーンで笑えた試しがありません。
それは本作でも同じこと。大阪弁がビミョーだったりもしますし。
いちばん笑ったのはヤクルトと「あいつら何のネタしとってん?」ですもの(笑)。
 
わざわざ劇場で観るほどだったかなと途中思ったのも事実ですが、最後まで観ればやっぱりよかった。
客を笑わせるために、けれど、自分たちのスタイルを守って。
頑張ってや~と心から言いたくなりました。
 
こうして私のNGK通いは続くのでした。みんなを応援!

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『ドリーム・シナリオ』

2024年12月24日 | 映画(た行)
『ドリーム・シナリオ』(原題:Dream Scenario)
監督:クリストファー・ボルグリ
出演:ニコラス・ケイジ,ジュリアンヌ・ニコルソン,マイケル・セラ,ティム・メドウス,
   ディラン・ゲルーラ,ディラン・ベイカー,リリー・バード,ジェシカ・クレメント他
 
ニコラス・ケイジの顔を見たって仕方がないし、スルーするつもりでいたのですが、
アリ・アスター監督が製作に関わっているというのがどうにもこうにも気になります。
あと数日で上映終了という日に109シネマズ大阪エキスポシティにて鑑賞しました。
 
大学で進化生物学の教鞭を執るポール・マシューズは妻ジャネットと長女ハンナ、次女ソフィーの4人暮らし。
娘たちは多感な年頃で特にハンナは反抗期に突入しているが、それでもポールは良き夫、良き父親である。
 
ポールは学生時代から蟻の進化について研究を続けており、その分野では第一人者の自負がある。
ところが元同僚の女性が同じ分野で先に認められ、出版までこぎつけたと知り憤慨。
せめて著書に自分の名前も記してほしいと頼み込むが、あっさり断られる。
出版は自分の夢だったのに先を越され、妻と観劇に出かけても気もそぞろ。
 
その観劇のあと、何十年も前につきあっていた元カノと再会。
ジャーナリストの彼女は最近何度もポールの夢を見るらしく、それをブログ記事にしてもよいかと聞いてくる。
そういえば、娘のソフィーもこのところポールの夢を見ると言っていた。
 
やがて、ポールが教える学生たちや知り合いのみならず、多くの人の夢にポールが登場していると噂になる。
しかもポールは誰の夢に登場しても「何もしない人」。
夢を見ている人が誰かに殺されかけていても、天災に遭っても、ポールは何もせずに通り過ぎるだけ。
 
ポールは瞬く間に話題の人となり、メディアの取材も次々に舞い込む。
スプライトのCM出演の話も持ち上がり、これで本を出版する道が開けるのではとポールは小躍り。
 
ところがある日突然、みんなが見る夢に登場するポールが暴力的になる。
良くも悪くも何もしない人だったはずのポールに襲いかかられて恐ろしい思いをするのだ。
学生たちはポールを見ると怯えるようになり、授業を休止するように求められる。
また、娘たちの学校行事を観に行こうとすると断られて……。
 
夢に登場するポールが暴力的になったのはいつからなのかを考えてみると、ポールが若い女性モリーに誘われた後から。
ほかの人たちが見る夢では何もしないポールが、モリーの夢の中では彼女とヤッているらしい。
いままで浮気のひとつもしたことがなかったのに、誘われてそんなことになりかけます。
だけど上手くできなくて逃げ帰った後、人々が悪夢を見るようになるのです。
 
アリ・アスター監督が絡んでいるから、わかりやすいエンディングは望めません。
結局なぜポールが人々の夢に現れるようになったのか、暴力的になったのかはまったくわからず。
ただ、そのせいで干されたポールのおかげで、夢ビジネスが拡大していく。
誰かに夢を操作されるなんて嫌だけど、見てほしい人の夢に出るコツは面白いですね。
 
ワケのわからない作品ではありますが、面白かったことは否めない。
しかしこれを観に来ていたカップル2組、選択肢はほかになかったのかしらん。

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