どうなっていたかな

　　　　　　　　『　どうなっていたかな　』

　　　　　気になりながら　延び延びになっていた　散髪に行った
　　　　　髪を切ってもらいながら　退屈まぎれに考えた
　　　　　初めて床屋に行ったのは　いつだったかなァ
　　　　　あれからずっと伸ばしていたら　どのくらいの長さになったかなァ
　　　　　料金を全部貯めていたら　小金持ちになっていたかなァ
　　　　　我ながら　ばかばかしいと思った

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真っ赤ななでしこ

　　　　　　　　　　麗しの枕草子物語　
　　　　　　　　　　　　　　　真っ赤ななでしこ

暑くて暑くて、どうしようもない昼下がり、扇を使っても生ぬるい風しか来ませんし、氷水に手をひたして騒ぐくらいしか仕方がありません。

ちょうどそんな時、真っ赤な薄様の紙を用いた手紙を、真っ赤な花をいっぱいにつけた唐なでしこの枝に結び付けて届けてくれたお方がいるのですよ。
この暑いさなか、それをも厭わず、真っ赤な紙に想いのたけを綴ってくれていると想像するだけで嬉しく、しきりに使っていた扇を手から落としてしまいましたわ・・・。

（第百八十二段・いみじう暑き昼中に、より）