めいすいの写真日記

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METライブビューイング 歌劇「トゥーランドット」

2010-01-23 | オペラ・バレエ

1月22日、新宿の松竹ピカデリーで「METライブビューイング」プッチーニ作曲、オペラ「トゥーランドット」を見ました。



ニューヨークのメトロポリタン・オペラ (略称MET) は、劇場公演の他、全世界のシネマ劇場にハイビジョンの映像を「METライブビューイング」として配信しています。また、NHKのBSハイビジョンなどでも年に一回程度放映するので身近なものとなってきました。「METライブビューイング」は、日本では2006年の年末から始まっているので、3年以上経ちます。
その間上映する劇場も増えてきましたが、私は最初に歌劇「魔笛」を見ただけでご無沙汰していました。

一昨年の10月に新国立劇場でプッチーニの歌劇「トゥーランドット」を見ましたが、歌手や合唱、オーケストラの演奏は良かったのですが、あまりにも演出が私の持っているイメージとかけ離れ、舞台装置や衣装などにも失望してしまったので、もう少し良い演出で行われる「トゥーランドット」を見ることが出来たならと思っていました。

ただ、「トゥーランドット」は中国の北京の宮殿( 紫禁城 )を舞台として繰り広げられ、大管弦楽と大合唱を駆使するプッチーニのもっともスケールの大きなオペラなので、忠実に舞台を再現するとなると膨大な費用がかかることは分かってはいたので、なかなか機会は
ないだろうと思っていました。

めいすいの音楽随想 新国立劇場・・・ オペラ「トゥーランドット」

何ヶ月か前に「METライブビューイング」で「トゥーランドット」を行うと知り、その演出が巨匠フランコ・ゼフィレッリと分かったので、これは見る価値が十分だと思い期待していました。

予想通り、ゼフィレッリの演出による舞台や衣装、小道具などは史実に即しており、豪華絢爛で感動的なものでした。
また、演出そのものも原作に忠実で素直な解釈なので見ていて分かりやすいものでした。

演奏はアンドリス・ネルソンス指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団、メトロポリタン歌劇場合唱団。
トゥーランドットはソプラノのマリア・グレギーナ。声は良く通り、素晴らしいアリアを聴かせてくれました。姫トゥーランドットにふさわしい歌唱力だったと思います。ただ、カラフが一目惚れし、命をかけて3つの謎解きに挑戦するほどの美人かどうかはちょっと疑問でした。
リューはマリーナ・ポプラフスカヤ。歌も良く、なかなかの美貌ではあるのですが、あごが張っているので、タタールの王チムールに献身的に仕え、カラフを秘かに愛し、カラフのために自害する人気役のリューはちょっと合わない気がしました。
新国立劇場で見たリュウの浜田理恵の方が適役だと思いました。
カラフはマルチェッロ・ジョルダーニ。容貌も良くスタイルも良く適役でした。有名なアリア「誰も寝てはならぬ」を歌い大いに盛り上げていました。
その他、メトロポリタンのオペラらしく、三人の役人、ピン・ポン・パンやティムール、アルトゥム皇帝など脇役陣もしっかりと役柄をこなしていました。

私が感銘を受けたのは第1幕の中国民謡「ジャスミンの花」に基づく少年合唱。頭をそった六人の白い法衣の小さな僧侶が歌いながら、群衆の中に登場してくる場面はとても美しく感じられ、ゼフィレッリらしい見事な演出だと思いました。

また、今回見た松竹ピカデリーのスクリーン1はとても広く、客席にも余裕があり、音響効果も良かったので「METライブビューイング」
の素晴らしさを堪能できました。



カラフ (右) はトゥーランド (中央) の出す3つの謎解きに挑戦する。解ければトゥーランドットの夫、すなわち王子になり、解けなければ死刑。
第2の謎「炎のごとく飛び跳ね、熱気を帯び、人が死ぬと冷たくなるものは?」・・・それは「血潮」。



三つの謎を解いたカラフに対しトゥーランドットは「異国人はいや」と結婚を拒絶する。
カラフはトゥーランドットに夜明けまでに「私の名前が分かったら」命を差し出すと告げる。
トゥーランドットは市中に名前が分かるまで「誰も寝てはならぬ」とお触れを出す。カラフはトゥーランドットと
二人だけになった時に抱擁し、接吻。「抱擁出来たので、思い残すことはない、私の名前はカラフ」と告げる。
接吻で目覚めたトゥーランドットは民衆を集め、「名前が分かった。その名は愛」と伝える。

最後に、不世出の名テノール、パバロッティが歌った「誰も寝てはならぬ」がYouTubeに載っているので載せておきます。



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