マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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奈良豆比古神社翁舞

2008年12月03日 08時20分08秒 | 奈良市へ
能楽の始まりとされ、国の重要無形民俗文化財に指定されている「翁舞」は奈良市奈良坂に鎮座する奈良豆比古神社で行われる。

同神社の例大祭は九日の日。

今夜は宵宮で、毎夜1時間の稽古を一週間続けて翁舞の本番を迎えた保存会。

伝統の芸能技を継承する。

翁舞は祀られる志貴皇子の子、春日王の病気平癒復を願って息子の浄人(きよひと)王が舞ったのが起こりとされ、天下泰平や国土安穏を祈願し奉納される舞。

篝火がたかれると雅で艶やかな衣装を纏い古式面を着けた舞人が舞台に登壇し、小鼓や笛、掛け声などに合わせて舞う。

静止から動体へ、腰を折り曲げたり、床を足で踏むなど伝統の舞を古式ゆかしく披露する。

神社に祀る三柱にちなむといわれている室町時代の面を着けた三人の翁が舞う「翁三人舞」に、「三番叟」の後舞から千歳が対面せずに問答する「三番叟舞」などが奉納される。

千歳は男児が務め「鳴るは滝の水 日照るとも」と長寿を祝う舞。

続けて翁面を着けた太夫が天下泰平、国土安泰を祝し、町内の守護を祈願。そして問答になる。

互いに向き合うことがない舞は神に語る古い形態で珍しいとされている。

クライマックス大団円は三番叟が鈴を振りながら床を踏みしめ力強く舞う。

面を脱ぐと汗がびっしょり。

祭事を世話する奉行衆のひとりだ。

幽玄の間、神主は神さんの代わりとなって神殿から舞殿を見据えるように静かに座していた。

今夜は神事相撲に供えられるスモウノモチが宝亀殿に用意されている。

明日は本祭で野菜などの「生御膳」の神饌御供が並べられる。

(H20.10. 8 Kiss Digtal N撮影)