マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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小泉町九頭神社九頭神座祭

2008年12月02日 07時52分05秒 | 大和郡山市へ
大和郡山市の小泉神社境内社に鎮座する九頭神社は小泉町市場垣内の氏神さん。

親しみをこめてくずがみさんと呼称される神さんは水の神さん。

昔は神さんを手に持って雨たもれと田んぼを回り雨乞い祈願をしたという。

長老三人衆と当家の4人は小泉神社の宮司を迎えて九頭神さんの秋祭り。

当家はひとりの御供(ごく)当家と三人の御酒(みき)当家で一年間の祭りごとに仕える。

当家のヤドは御供当家の家。

長老とともに昼前に集り、お渡りまでの時間を座敷直会でくつろぐ。

長老と当家は柄が異なる直垂姿に引立烏帽子を被る九頭神座衆。

当家のヤドで明治20年寄進された唐櫃を前に道中の安全を祈り祓えの儀式を終えると出幸する。

サカキに初穂の根付き稲を括り付けたオソナエを持つ一老を先頭に、真竹の御幣を持つ当家衆、御供を入れた唐櫃を担ぐ人足に宮司、長老らが整然と並び神社までお渡り。

市場集落から富雄川を渡って神社参道の街道筋を練り歩く。

神社に到着するまで止むことなく一老が「ウゥワハイー」と発声すると後続の衆らがそれを連唱するお渡り。

「ウゥワハイー」とは、産土(うぶすな)を拝する、即ち「今、御供をお供えもうし、産土大神のお笑い給ふお顔を拝み奉る」と言う意味だという。

秋晴れの日差しを受けて、拝礼、祓えの儀、開扉、神饌献饌、祝詞奏上、奉幣振り、玉串奉奠など厳粛に神事が行われた。

座衆らは白衣に着替えると拝殿に登り来年の当家決め。

四人と一人の「陰(かげ)」を選ぶクジ引きは一老が差し出した籤を当家4人が引く。

今日はここまでで、翌年2月11日に祭礼される祈年祭で御供、御酒当家が決められる。

しばらくは歓談直会。終えると当家衆は二組に別れて氏子の家へ出向き、供えられた御供モチを配っていく。

祭りの前に龍田川で禊ぎ潔斎をした当家衆の一日は夕刻まで続く。

(H20.10. 8 Kiss Digtal N撮影)