マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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丹生神社渡り衆遙拝古社参り

2008年12月25日 08時59分56秒 | 奈良市(東部)へ
奈良市東部の東山中と呼ばれている大和高原の秋祭りには、木や竹で小さな短冊形を紐で繋いだササラと呼ばれる楽器は回る、扇ぐ、跳ぶ、鳴らすなどの田楽芸能所作に用いられることが多い。

丹生町の丹生神社での秋祭りにもこれが使われる。

午前中に例祭を終えた祭りの衆らは当家の家で膳をヨバれるもてなしの時間。

大きな皿に盛った塩焼きタイが目立つが酒盃は見られない。

太鼓を打ち鳴らしヨーイトソーリャの掛け声とともに丹生の里を巡ってきた御輿がやってきた。

ねぎらいの酒やお茶などをいただき休息タイム。

そろそろ神社へのお旅だと渡り衆七人は侍烏帽子を被り素襖姿に着替える。

ササラ、小鼓、二人の太鼓、横笛は三人。

七人の渡り衆は渡行人(とぎょうにん)と呼ばれ、年齢順で役目が決まっている。

かつて竹だったササラは桜の木製。

神域内に生えていた桜が老木になったのでこれを伐採して昭和47年に作り替えたものだ。

当家の庭に砂盛りした四方竹のなかには当家の御幣とサカキの大御幣が置かれている。

サカキを持った総代を先頭に宮司、当家、渡り衆、御輿の行列が里を練り歩く。

ピュー、ピューと笛が吹かれるとヨーイトソーリャの掛け声。

太鼓はドン、ドン、ドンと打ち鳴らし里道を行く。

待ち受ける里人を見つけると、渡り衆は近寄って笛や太鼓を鳴らしてご祝儀を催促する。

鳥居までの道中は三ヶ所で立ち止まり遙拝する。

「旧社のハチマン」、「モリヤマ」、「フルシロ」と称される故地に向かって笛を吹き、太鼓は打ち鳴らして拝礼する渡り衆の古社参りとされている。

(H20.10.19 Kiss Digtal N撮影)