マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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柳生十二人衆ダダンダ酒盃

2008年12月08日 07時15分23秒 | 奈良市(東部)へ
宮座行事が行われる秋祭りの日の早朝、紋付き袴を着てトーヤの家に集まった奈良市柳生八坂神社の十二人衆。

パック御膳が並べられた座敷に座って酒宴を始められる。

土用の入りのころ、白装束姿のトーヤは小川に入って水垢離(3回)をして精進潔斎し、今日の酒宴を迎えた。

今年のトーヤは柳生町の上。

隔年で交替する仕組みで翌年は柳生下町が担う。

いずれも十二人衆と呼ばれる座衆が勤める。

年長者は元老、三人の最年少者は若い衆と呼ぶ。

座衆のなかからは月並祭などを営む禰宜が選ばれ、トーヤと向かい合った上座に座る。

挨拶を終えると親族らは十二人衆へのねぎらい酒振る舞いの酌に忙しく動き回る。

興が盛り上がると目出度い唄が次から次へと飛び出した。

「おもしろやー」の餅搗き唄や「あれわいせ これわいせ」の伊勢音頭にお伊勢参り唄に手拍子で囃す。

「まぐろ川音頭」など懐かしい唄を競い合うように唄う。

頃合いを見計らってそろそ始めようかと中央に七つ重ねの酒盃が差し出される。

今日は目出度い日やから「三」がええのう。

上からの三じゃあかんで、下からの三やでと取り出された盃に並々と酒が注がれる。それを頭上に翳して何度も右に左に揺らす。

一節目出度い唄が唄い終わると「ダダンダー(ザザンダーとも) 浜松の音はダダンダー」囃子にさらに酒が注がれ、グイと一気に飲み干す。

禰宜から始まって交互に酒盃が進んでいく儀式は噛むように飲むのが正式だという。トリのトーヤが飲み干して納めとなる。

(H20.10.13 Kiss Digtal N撮影)