マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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鷲家八幡神社ハナマキ

2008年12月31日 08時40分04秒 | 東吉野村へ
県内の祭りのなかには紙で造った花を細竹に取り付けた花笠が見られるところがある。

東吉野村鷲家の八幡神社の秋の祭礼に見られる太い藁棒に挿し込んだたくさんの花は「ハナ(ハナマキとも)」と呼ばれる。

祭りの数日前から氏子が造るハナは染めのハナ。

コヨリで一個ずつ括り付けていくそうだ。

かつては奪い合いしたというハナは祭典を終えると一人ひとりに配られる。

それを持ち帰ってくるりと輪のようにして家の玄簡に取り付ける。

街道筋の家に見られるハナは魔除けの意味があると考えられる。

秋祭りは毎年15日。

裃を着用した宮座の衆の任期は4年。

以前は旧村だけだったが祭礼の維持を考えて新家も加入できるようにしたそうだ。

子どももおらんようになってお渡りもしなくなった祭礼は世話人に三人の「ネンヨ」が加わり前日に御供モチ搗きが行われる。

来年の5月は造宮の日。

三間社流造りの檜皮葺神殿は朱塗りが眩しい。

20年に一度の造宮祭が営まれるので楽しみのひとつとしておこう。

鷲家は高見峠越え伊勢街道と東熊野街道に通じる要衝の中継地。

史跡建物の藤堂藩陣所(油屋跡)が風情を残している。

(H20.10.22 SB912SH撮影)