マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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南六条北三十八神社秋祭宵宮

2008年12月06日 07時43分28秒 | 天理市へ
三連休の初日となった今夜は天理市南六条町北にある三十八(みそや)神社の宵宮日。

頭屋のお二人は茹でたエダマメを拝殿で参拝者を待っている。

六つの箕にいっぱい積んだエダマメは6月ころから栽培したもの。

暑い季節、降り続いた雨の日、急に冷えこんだ先月。

生育が心配で、毎日畑を見に行ったという。

ふくよかに育ったエダマメは、朝早うから塩をふんだんに入れて茹でたもの。

ぷちゅっと皮から飛び出るエダマメは口のなかで甘さが広がりとても美味しい。

家族連れで次々と訪れる参拝者。

神殿に向かい手を合わせる。

末社も巡拝したあとはお神酒にエダマメを一束いただく。

「エダマメたばり」という名で呼んでいる風習は大和言葉の方言だ。

そろそろ太鼓の音が聞こえてくる時間じゃと頭屋はおっしゃる。

ドン、ドンと打ち鳴らす音は青年会12人が担ぐ太鼓台だ。

街道では車輪だが地域に入るとコライヨイヨイの掛け声とともにあっちへこっちへと担いで練り回る。

後ろには提灯灯りの子供会の子ども御輿も巡行する。

かつて担いだことのある昔青年団は西方の八条町近くまで練って、ホテル街では祝い酒をもらったそうだ。

勢いついて畑にはまりこんだこともあったと懐かしそうに話される太鼓台は六条の杵築神社と合同だ。

女性着物に長い襷帯の装束にお白いを塗ってあっちまで行って乗ったという。

練り太鼓台は到着すると一旦休憩。

元興蔵寺の梵鐘には子どもらが群がって置かれている根付き初穂の「荷前(のさき)」などおかまいなし。

普段は子どもの姿が見られない地域に30名ほども集まったのは新町の子どもだという。

新旧の住民が秋の豊作に感謝した宵宮の日は一段と賑やかになった。

以前の荷前は担ぎさんがおって本祭のときに野神さんまでのお渡りに同行していたが何年か前に今の形式になった。

翌年のとんどのときに燃やされるまでこのまま置かれている荷前、除夜の鐘を打つときはじゃまになるんやけどこうしているという。

ひといきいれた太鼓台に子ども御輿はそのあとも街道筋を練り歩く。

稲刈りを間近にひかえた夜の田園を、提灯火とともに祭りの掛け声が収穫の秋を祝うようだ。

(H20.10.11 Kiss Digtal N撮影)