マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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平田のどんど火遷し

2012年03月03日 10時03分53秒 | 明日香村へ
明日香村平田のどんどは神さんからオヒカリを授かり、その火を松明や提灯に移してどんどに点ける。

陽が暮れる前に集まった上平田と下平田の総代たち。

拝殿に登って飛鳥坐神社の宮司を待つ。

境内では古い釜に湯を沸かしておかれた。

薪やシバを焚いて湯を沸かす。

そのころは既に陽も落ちて境内は真っ暗になった。

ここは上平田に鎮座する八坂神社だ。

二本の笹束と幣を神前に置かれた。



そうして始まったどんどの火遷しの神事。

祝詞を奏上したあと宮司は釜の前に立つ。

先に湯に浸けた幣を小脇に挟み笹の葉を釜湯に浸ける。

厳粛な御湯(おみゆ)の作法。

それを持って参拝者に向かって振る祓い清めの儀式である。

宮司は再び祝詞を奏上する。

おそらく始めの祝詞は神さんを呼び出し、笹葉に遷す神事と思われる。

それを以って参拝者に祓う。

ありがたい御湯の作法なのである。

こうしてオヒカリの儀式に移った。

火打ち石を持つ宮司。

カチ、カチと打つ石の音がする。

祭壇に置かれた白い皿に向かって火を起こしていく。



宮司は息を吹きかけて風を起こす。

何度か繰り返されたそのときだ。

火打ち石から発火された火はお皿に遷った。

神さんの火が点いたのだ。



風で飛ばないように白紙を添えたオヒカリの火は拝殿前に設えた枯れ松に遷された。

勢いよく燃えだした火。



松葉の松明を翳して火を移す上平田の人たち。

2本の松明に赤々と火が点いた。

とたんに走り出した二人。

松明の火は神社近くに設えたどんどに移されたのだ。

またたくまに燃え上がるどんど。



そのころ、下平田の人たちは持参した提灯に移している。

子供会の代表者は総代とともに大急ぎで下平田へ下っていった。

道中では中平田のどんどが燃えている。

ポン、ポンと竹のはぜる音が聞こえてくる。

(H24. 1.14 EOS40D撮影)