正月6日の修正会に続いて15日は修二会が行われる山添村岩屋の興隆寺。
6日は宮さんの修正会であるが、この日はお寺の正月始めに行われる修二会法要のご祈祷である。
この日も会式を下支えするのはドーゲ(堂下)であるが当番の二人は前回の人と交替する。
岩屋の当番は行事によって担当が入れ替わるのだ。
氏神さんの八柱神社で毎月1日に参られるときには一日のサヘ当番、直会に差し出されるダシマメを担うダシマメ当番もあるという。
修二会に集まったのは21人。
総代や区長に村人たちが揃って住職は内陣に座った。
その傍らにはススダケ31本とホウの葉で包んだ24個の御供が置かれている。
宮さんの修正会の残りだというがお札は異なる。
今回はお寺の修二会となるだけに墨書は「牛王 米尾山 宝印」とか「~ 興隆寺 ~」に替るのだ。
宮さんの修正では本尊の扉を開けることはないが、この日は寺会式であることから本尊はご開帳される。
香を手にとって揉んでお経を唱えられる住職。
一年の始まりに過去の穢れを祓い新年の村の安全や豊作を祈願する念仏は悔過法会であろうか。
堂内を鎮めるかのように静かに読経される。
どれぐらいの時間が経ったときだろうか。
突如として「ダンジョー」と発した住職。
それを聞きとどけたドーゲは急いで回廊に据えた太鼓に走っていった。

「ダンジョー ダンジョー」と大きな声で叫びながら太鼓を叩く。
その数は30回だと総代はいう。
堂内は再び静けさを取り戻した。
それから10分経ったときだ。
再び「ダンジョー」と発した。
またもや駆けつけるドーゲは勢い強く太鼓を打つ。
外気は冷たく寒風が吹き抜ける。
そんな情景も関係なく村から疫神を追い払う。
それがダンジョーの作法なのだ。
かつてはその際に子供たちも混ざって廊下の床を叩いていた。
叩く木はフジの木だったという寺行事の修二会はガンジョウエとも呼ばれている。
充てる漢字は「願正会」だというらしい。

安穏の村を祈願した法会を終えれば直会。
いつものようにダシマメをいただきながらお酒を飲む。

ドーゲが村人の前に向かって湯とうの酒を朱塗りの椀に注ぐ。
めいめいが桶に入れられたダシマメを皿に盛って回していく。
岩屋の人たちは大いに酒を飲む。
およそ一時間半が経ったころだ。
総代から「ぼちぼちや」とドーゲに指示が下った。
村人が並ぶ前に進み出て湯とうを逆さにして頭の上にあげた。
「残酒もあんので、なろう方はよばれて帰ってください」とドーゲは口上された。
逆さにするのは注ぐお酒は空っぽになったという意思表示である中締めの作法だ。
こうしてお酒からお茶に替った直会は三々五々に散会する。

オカホ(陸稲)の豊作を祈祷されたゴーサンのお札を貰って帰る。
宮さんの修正会でたばったお札は水田の苗代豊作を願う水の神さん。
この日にたばるのは畑の豊作を願ったお札だ。
「水田で栽培される稲と畑で栽培される陸稲は違うものだ」と住職は語る。
岩屋の地は山間部。畑で栽培される原始的な陸稲が重要視されたのではないかと思われる。
尤もJAで苗を購入されるようになり、二つの札は合わせて畑に祀られる。
(H24. 1.15 EOS40D撮影)
6日は宮さんの修正会であるが、この日はお寺の正月始めに行われる修二会法要のご祈祷である。
この日も会式を下支えするのはドーゲ(堂下)であるが当番の二人は前回の人と交替する。
岩屋の当番は行事によって担当が入れ替わるのだ。
氏神さんの八柱神社で毎月1日に参られるときには一日のサヘ当番、直会に差し出されるダシマメを担うダシマメ当番もあるという。
修二会に集まったのは21人。
総代や区長に村人たちが揃って住職は内陣に座った。
その傍らにはススダケ31本とホウの葉で包んだ24個の御供が置かれている。
宮さんの修正会の残りだというがお札は異なる。
今回はお寺の修二会となるだけに墨書は「牛王 米尾山 宝印」とか「~ 興隆寺 ~」に替るのだ。
宮さんの修正では本尊の扉を開けることはないが、この日は寺会式であることから本尊はご開帳される。
香を手にとって揉んでお経を唱えられる住職。
一年の始まりに過去の穢れを祓い新年の村の安全や豊作を祈願する念仏は悔過法会であろうか。
堂内を鎮めるかのように静かに読経される。
どれぐらいの時間が経ったときだろうか。
突如として「ダンジョー」と発した住職。
それを聞きとどけたドーゲは急いで回廊に据えた太鼓に走っていった。

「ダンジョー ダンジョー」と大きな声で叫びながら太鼓を叩く。
その数は30回だと総代はいう。
堂内は再び静けさを取り戻した。
それから10分経ったときだ。
再び「ダンジョー」と発した。
またもや駆けつけるドーゲは勢い強く太鼓を打つ。
外気は冷たく寒風が吹き抜ける。
そんな情景も関係なく村から疫神を追い払う。
それがダンジョーの作法なのだ。
かつてはその際に子供たちも混ざって廊下の床を叩いていた。
叩く木はフジの木だったという寺行事の修二会はガンジョウエとも呼ばれている。
充てる漢字は「願正会」だというらしい。

安穏の村を祈願した法会を終えれば直会。
いつものようにダシマメをいただきながらお酒を飲む。

ドーゲが村人の前に向かって湯とうの酒を朱塗りの椀に注ぐ。
めいめいが桶に入れられたダシマメを皿に盛って回していく。
岩屋の人たちは大いに酒を飲む。
およそ一時間半が経ったころだ。
総代から「ぼちぼちや」とドーゲに指示が下った。
村人が並ぶ前に進み出て湯とうを逆さにして頭の上にあげた。
「残酒もあんので、なろう方はよばれて帰ってください」とドーゲは口上された。
逆さにするのは注ぐお酒は空っぽになったという意思表示である中締めの作法だ。
こうしてお酒からお茶に替った直会は三々五々に散会する。

オカホ(陸稲)の豊作を祈祷されたゴーサンのお札を貰って帰る。
宮さんの修正会でたばったお札は水田の苗代豊作を願う水の神さん。
この日にたばるのは畑の豊作を願ったお札だ。
「水田で栽培される稲と畑で栽培される陸稲は違うものだ」と住職は語る。
岩屋の地は山間部。畑で栽培される原始的な陸稲が重要視されたのではないかと思われる。
尤もJAで苗を購入されるようになり、二つの札は合わせて畑に祀られる。
(H24. 1.15 EOS40D撮影)