マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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萱森頭屋祭の後宴

2014年03月09日 06時49分08秒 | 桜井市へ
前々日の夜は私祭の神祭(カンマツリ)をされていた桜井市の萱森。

頭屋祭とも呼んでいる村の行事には頭屋(頭人)の家に集まった太夫、二老、中老、副中老。太夫、頭人が幣振りをされて神輿に遷す。

饌米揚げや三膳盛りの神饌を捧げていたと云う。

翌日は朝から行われる頭屋祭と呼ばれる萱森のマツリ。

午前中に注連縄作りをする。

昼に頭屋家でヨバレがある。

会食を済ませた一行は素襖を着用した頭屋家のお渡りであるが、年寄りばかりになったことから高おかみ神社鳥居手前までは車に乗ってのお渡り。

十人衆、一老から三老、宮総代、頭人らは頭屋家より遷した神輿を本殿へ神遷しをされると聞いていた。

お渡りは昼を過ぎてからだと思って出かけた時間帯。

境内には誰一人の姿も見られない。

社務所に近づいていけば声がする。

おそるおそる扉を開けた答えは「マツリは昨日やったで」である。

マツリの日付けを誤って記憶していたのである。

この日の宴はマツリを終えた後宴であった。

度々の行事取材でお世話になっている萱森の人たちに混じって、村で仕事をしているご夫婦も居られた。



馴染みの人たちが和やかに会食をされている後宴。

上座は一老こと神さんとも呼ばれている太夫と頭人である二老さん。

「服忌が2軒もあって、今年は寂しかった」と云う。

太夫の奥さんは天理市藤井が出里。

藤井のマツリ話しが盛り上がる。

当時お世話になった区長さん。

そこが実家だと云う。

そういえばお顔が良く似ている。

ご一統家が関係するお寺に奈良市の帯解寺や桜井市の聖林寺があるという。

そういえば一同の性名はすべて同じだ。

縁が繋がる婦人の話しでさらに盛り上がった。

マツリの日にはお渡りがあった。

それより数時間前に掛けた頭屋の注連縄が鳥居に掛けてあった。

L型に組んだ木製の摸農具はカマとナタを象ったものだ。



鳥居柱下には木の札がそれぞれ5枚。

これも頭屋が納めたものである。

マツリの様相を知ったのは前年頭屋を勤めた十老さんが残した写真である。

今回も外してしまった。

(H25.10.20 EOS40D撮影)