JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

NYに帰っても凄い Blue Wail / Uri Caine

2007-09-06 22:37:33 | 聞いてますCDおすすめ
Paolo Fresuとのデュエットが素晴らしいピアニストUri・Caineですが、やっている音楽が色々で、いつも楽しいということではない気がします。
そのような中では、大変JAZZらしいと思うアルバムがこのアルバムです。
1曲目と11曲目が同じ“HONEYSUKLU ROSE”でそれ以外は全てオリジナル、そして凄いjazzになっています。
2曲目、激しいドラムスとの掛け合いで始まりますが、これがRalph Peterson Jrでまず度肝を抜かれるようなリズムをみせて、リーダーはドラムスかと思わせます。続いてJames Genusがベースソロを取りますが、これがしっかり重たい、素晴らしく重量級のピアノ・トリオです。
3曲目はバックはボッサのリズムですがその上に思索的にピアノラインが動くので、明晰な思考が行き来しているな曲です。
4曲目は気持ちよくベースが4ビートをきざみ、その上にのるピアノはただの軽いメロディではなく、モーダルな、きらめくフレーズが疾走する、JAZZだねという力強い演奏です。ラルフ・ピーターソンのドラムスは完全に高いテンションで固まっています。
5曲目は“Blue WAil”というタイトル、ここではブルースの演奏ですが、ピアノのメロディラインはこんなブルースの感じも凄いとおもわせます。それまでとはまた変わった感じで、懐の深さを感じます。あわせてGENUSのベースソロも、ヨーロッパ系を聴きすぎている身には、単音で強力にラインは新鮮に感じます。
6曲目“STAIN”は非常にモーダルな演奏で、録音が1998年でだいぶ古いですが、素晴らしく新鮮です。今のピアニストでも、このようなモダンが出来る人は少なく思います。
7曲目4ビートに戻して、ウォーキングベースとドラムスもスネアとシンバルでリズムを刻む演奏ですが、これもモダン、普通のミュージシャンではとても作れない新鮮なメロディです。
8曲目はラテンリズムの曲、それもピアノの音がマッチして、Uri Caineは実力が解ります。
9曲目はクラシカルな響きですがリズム部隊が凄いので、演奏の広がりが違います。
10曲目はモーダルに戻って、切れのあるピアノライン、ドラムスのバックとベースのリズムで、このようなピアノ演奏を実際目の前にしたら興奮するでしょう。
11曲目はエピローグ、現実に戻してくれる演奏です。
Uri Caineの演奏は、ジャズテイストが充分で、表現に幅があり、驚嘆できるプレーヤーだと思います。
もっと人気が爆発していいと思うのに、色々幅が広すぎて、受けない部分があることが残念です。
それにしてもこのアルバムは素晴らしい。
Fresuの地中海から、FresuとCaineのデュオ、そしてCaineのトリオにきましたが、実は録音年度は完全に逆転、遡った日々でした。

Blue Wail / Uri Caine

Uri Caine    piano
James Genus     bass
Ralph Peteron JR   drums 

1 Honeysuckle Rose
2 Loose Trade
3 Face Of Space, The
4 Digature Of The Line
5 Blue Wail
6 Stain
7 Sweet Potato
8 Bones Don't Cry
9 Poem For Shulamit
10 Fireball
11 Honeysuckle Rose


コメント
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