JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

美しい積み木を使って LEVIN'SONG / Georges Paczynski

2007-09-09 21:20:13 | 聞いてますCDおすすめ
澤野工房の新譜にはここのところご無沙汰していましたが、ノートを見ると、このLevinsonはアーノルド・クロスと対座する位置にあると書いてあったので、聴きたくなり、ショップで試聴し数秒で即決しました。
昨日はアーノルド・クロスのアルバムに微妙な違いを感じましたが、最初のアルバムは大好きです。それと対峙するといわれるこのアルバムも、素晴らしいアルバムです。1994年の録音でわずか800枚しか作られなかった超レア版らしいです。初めて聴きましたが、ジョニー・クラークのベースラインを聴いて即決でした。
1曲目、確かにエバンスの雰囲気でピアノが始まりますが、それに対してのベースはエバンスのアルバムで対応していたベースと少し違う。エディー・ゴメスかチャック・イスラエルの線でしょうが、それとは違う、独自の歌ラインを感じます。
2曲目ベースの、溜めたラインにキリッとしたピアノメロディがとても思索に始まり、変わってベースソロ、このベーシストすでに亡くなっているようですが残念です。
3曲目、ピアノの響きの素晴らしく思えるところがおなじで、右手の高い音のシングルトーンのフレーズが素敵です。ピアノのJean-Christophe Levinsonの才能も強く感じます。
4曲目、思索的なピアノメロディーに対して、ベースもドラムスも独自にラインで併走して、やはりベースソロがすばらしい。
ドラムスのGeorges Paczynskiについて触れていませんが、繊細なドラミングでありながら強さも感じます。
一つ一つの曲調はエバンスより強い感じで、魅力的です。5曲目、素晴らしいベースの独自のラインとピアノの高音のメロディの共存が素晴らしい。
最後の6曲目、14分にもなる長い曲ですが、美しいバースで始まります。
ピアノとベース、ドラムスが少しずつ変化を与えながら絡み合う、素晴らしいインタープレーです。
このアルバムを聴きながら、ある物を思い出していました。
子供が小さいときに、おもちゃを買いましたが、そのうちの一つに、素敵な積木がありました。輸入品で、一つ一つは小さくて、きれいな色が塗ってあり、家と庭園を作るものです。残念ながらその積木の行方がわからなくなってしまいましたが、その美しい一片たちを覚えています。
このアルバム、とても美しい一片の集まりが色々と組み合わさって作る積木のよう。何度も繰り返し作っても、少しずつ違って美しいところが見える感じです。


LEVIN'SONG / Georges Paczynski

Georges Paczynski drums
Jean-Christophe Levinson piano
Jean-Francois Jenny-Clark bass

1 Dans L'escalier
2 Exercice Pour Florence
3 Mado
4 Melchior
5 Transit
6 Almayer
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする