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読書 サイモン・アンドレアエ「男はなぜ新しい女が好きか?」

2005-12-31 13:04:18 | 読書
 図書館で「人生に奇跡を起こすノート術」という本を探していて、ふと目に留まったのがこの本だった。題名は思わせぶりだが、原題は「Anatomy of desire」欲望の解剖学というなんともお堅い題名だ。内容も膨大な文献からいろんな研究結果を紹介してくれる。

 男はなぜ新しい女が好きか?という問いに簡単に答えるのは難しい。男は進化の過程でそのようにプログラミングされたというしかないようだ。
 それよりも、私はかねがね異常性愛者やレイブ、それに痴漢のような犯罪行為者。また同性愛者、性倒錯者などは、要するにストレートといわれる普通の人々とどこがどう違うのか、そして問題があるとするならその治療方法があるのだろうか。この本で見つけられるかもしれないという思いがあった。しかし、原因は研究者によって明らかにされつつあるようだが、治療の段階まで明確にされていないようだ。

 小学生の女の子を殺して捨てたというニュースが衝撃を与えたが、すべて男で女ではない。痴漢行為にしても女の痴漢は聞いたことがない。異常性愛者や倒錯者はほとんど幼児期の親の虐待やかまってもらえないという無視の影響が色濃く反映されているという。

 女も幼児期に影響を受けるが、男のように外に向かうのではなく自分の身体に、あるいはセックスと関係のない行動に現れる。万引きや摂食障害、自傷行為である。幼児期の虐待や無視の影響だけでなく身体的異常も反映される。脳の異常、染色体異常、ホルモン異常、脳の奇形など。

 なぜ男は狂ったことを行うのか。現代の医療ではこれらの病気の治療はできなのだろうか。残念ながら治療法については触れていない。地球上の生物という生物が生殖作用によって生き永らえていることを思えば、人間の根源とも言うべきセックスについてまだまだ理解したとは言えないし意識の中にセックスは汚いもの隠しておくもの気軽に話題に出来ないものという抑圧があるように思われる。人間はまだ進化の途上にあるのかもしれない。

 著者紹介を引用すると“サイモン・アンドレアエは、1966年生まれ。ロンドン在住のジャーナリスト、TVプロデューサー。合衆国大統領から性欲の科学まで、幅広いジャンルのTVシリーズを手がける。性的脅迫症をテーマにした「Beyond Love(1955)」はタイム誌から「年間で最も論議を呼んだドキュメンタリー」と評された。本書は彼のはじめての著書である。”

今年はこれで終わりのブログになりました。今まで読んでいただいた方々には感謝いたしますとともに来年もよろしくお願いいたします。それでは皆様、よいお年を!