財産管理弁護士のジャック・ニューリンは、妻を殺したと刑事に自白する。その弁護を担当するメアリー・デナンツィオは、ケヴィン・コスナーに似たジャックとの初対面のとき、その自白の裏に何か隠されたものを感じると同時にジャックに一目惚れする。
事実はジャックの娘ペイジを助けるための身代わり自白だったが。娘のペイジも実際は母を殺していなかった。それを調べるうちに身の危険に遭遇する。
「有罪答弁で司法取引したい」というジャックの申し出にはメアリーは頷くことは出来なかった。弁護士は本来有罪事案を軽くするか無罪を勝ち取りたいと思うものだ。その反対の主張をする被告をどのように弁護するのか、読者は固唾を呑んで読み進むことになる。
不自然な成り行きや唐突な出来事はないかというものだ。ちゃんと伏線を張ってあって違和感はない。適度のユーモアの味付けもあったが、真犯人の出現がやや唐突に思われた。
著者は、ペンシルヴェニア州フィラデルフィア生まれ。上訴裁判所の主席裁判官アシスタントを務めたあと、作家に転進。1993年『見られている女』でデビュー。