モスグリーンのつぶらな瞳、少し開き気味の濡れた唇、ブロンドの髪よりも色の濃い蜂蜜色の肌。非の打ちどころのない顔のチャ-ラ・マリア・マルコポーロ。
あまり意味のない小さな白いGストリング、カップ型をした白いプラスティックのサングラス、ターバンにしている青いタオルだけの日光浴姿を目にしても、オスの本能は刺激されるがそれ以上は進めない女性恐怖症のカービー・ウィンター。
そのカービーに叔父のオマー・クレップスは、金時計と手紙を残して死んだ。オマーは謎の男として知られ、莫大な財産が残されたと世間は噂した。その財産を狙うのが、色仕掛けで迫るチャ-ラだった。
ところが金時計には時空を超える仕掛けがあった。時計の竜頭を捻ると、それは赤の世界だった。赤の世界では、本人以外はすべて一瞬を固定され知覚することはない。だから、危機に直面すると容易に逃れられる。
ある種ファンタジーの世界ではあるが、わたしはこんな都合のいい話はあまり好まない。1962年の作品。