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読書 ジョン・D・マクドナルド「金時計の秘密」

2008-03-26 13:09:11 | 読書

              
 モスグリーンのつぶらな瞳、少し開き気味の濡れた唇、ブロンドの髪よりも色の濃い蜂蜜色の肌。非の打ちどころのない顔のチャ-ラ・マリア・マルコポーロ。
 あまり意味のない小さな白いGストリング、カップ型をした白いプラスティックのサングラス、ターバンにしている青いタオルだけの日光浴姿を目にしても、オスの本能は刺激されるがそれ以上は進めない女性恐怖症のカービー・ウィンター。
 そのカービーに叔父のオマー・クレップスは、金時計と手紙を残して死んだ。オマーは謎の男として知られ、莫大な財産が残されたと世間は噂した。その財産を狙うのが、色仕掛けで迫るチャ-ラだった。
 ところが金時計には時空を超える仕掛けがあった。時計の竜頭を捻ると、それは赤の世界だった。赤の世界では、本人以外はすべて一瞬を固定され知覚することはない。だから、危機に直面すると容易に逃れられる。
 ある種ファンタジーの世界ではあるが、わたしはこんな都合のいい話はあまり好まない。1962年の作品。