皆さん、突然妻が殺人容疑で逮捕され弁護士から「証拠や目撃者もいることだし無罪は無理だ」といわれたら、どうしますか?
裁判の様子や警察の捜査の状況も描かずに夫ジョン・ブレナン(ラッセル・クロウ)の脱獄準備を克明に描いていく。ただひたすら妻ララ(エリザベス・バンクス)の無実を確信して。私にはこれほどの愛があるだろうか? と思ってしまう。
一体どういう風に脱獄を成し遂げるのだろうと画面を見ながら考えていると、三日後に別の刑務所に移送されるというものだった。ジョンの計画のシナリオは完璧に出来ていない。焦るジョン。家の売買予約は受けていたが、今すぐ代金決済が無理と判明。
どうすのかと思っていると、かなり過激な手法をとった。麻薬売人を襲って金を巻き上げるというものだった。この辺は脚本の暴走気味なところか。真面目な大学教授のジョンには出来るとも思われない。
しかし、背に腹はかえられない。男の行く道だとばかり突っ走る。ハラハラドキドキの結果、ベネズエラに逃れる。映画はちゃんと妻の無実も証明してくれる。いくら映画でも殺人者を巷に放り出すわけに行かないからね。
ラストシーンでは、ジョンがベッドで添い寝をしている妻と息子の寝顔をデジカメで撮るところが、やっと家族が一緒になって安息の日がやってきた。という雰囲気が観るものに心地よい余韻を残す。女性にとっては、これほど一途に愛され果敢に行動する男にめぐり合いたいと願うはず。
監督
ポール・ハギス1953年3月カナダ、オンタリオ州生まれ。’04「クラッシュ」でアカデミー作品賞受賞。
キャスト
ラッセル・クロウ1964年4月ニュージランド、ウェリントン生まれ。’00「グラディエーター」でアカデミー主演男優賞受賞。
エリザベス・バンクス1074年2月マサチューセッツ州ピッツフィールド生まれ。
タイ・シンプキンス(ルーク役)