最近もどこかで聞いたような話しがこの映画だ。投資すれば3倍に増やしてあげると言って金をかき集め、とどのつまり投資に失敗したと言うことでなけなしの金を失う一般庶民。
アーサー・ショウ(アラン・アルダ)という男がその張本人だ。ニューヨークの一等地に建つ高層マンションの最上階がこの男の根城だ。屋上に専用プールまである。
リビングルームにはスティーヴ・マックイーンの所有だった真っ赤なスポーツカーも置かれている。
マネージャーのジョシュ(ベン・スティラー)はモニターで奇異な光景を目にする。アーサー・ショウが洗濯業者のトラックの荷台に乗り込んだ。誘導する男は業者ではない。ジョシュは誘拐と判断した。
そのトラックを追って歩道を全速力で駆け抜ける。トラックの横転と同時になにものかの腕に遮られ見事に昏倒する。 黒塗りの車が停まりFBIが降りてくる。アーサーが逮捕されるのを目撃する。
ジョシュはみんなのお金の運用をアーサーに任せた責任もあって事実をみんなに伝えた。何とか回収するとはいうものの本心はどうしていいか分からない。しかし、気になる点が一つだけあった。それはリビングの真ん中に壁が存在することだった。あの中に金庫が隠されているとジョシュの直感が告げていた。
チャーリー(ケイシー・アフレック)、Mrフィッツヒュー(マシュー・ブロデリック)、エンリケ(マイケル・ペーニャ)たちと激しい議論の応酬の末、金庫強奪実行が決定した。が、どうやって? このメンバーは犯罪に疎いまるっきり素人の集まり。プロの犯罪者が必要だ。
熟考したジョシュが思いついたのは、毎朝出勤のとき「背広野郎!」といつも悪態をつくスライド(エディ・マーフィ)だった。
さあ、ここからがこの映画の肝心なところなんだが、コメディの結末はハッピーエンドと想像できるから何も言わない。主役のベン・スティラーは、初めて見る顔でどう見ても主役を張るような俳優には思えない。むしろ、エディ・マーフィと入れ替えたほうが遥かに面白いものになった気がする。どうやらエディ・マーフィが製作に参加していてベンに花を持たせた感がある。誰かもそのようなことを言っていた。
監督
ブレット・ラトナー1969年3月フロリダ州マイアミビーチ生まれ。テレビ界出身。
キャスト
ベン・スティラー1965年11月ニューヨーク生まれ。
エディ・マーフィ1961年4月ニューヨーク市ブルックリン生まれ。
ケイシー・アフレック1975年8月マサチューセッツ州生まれ。
アラン・アルダ1936年1月ニューヨーク市生まれ。
マシュー・ブロデリック1962年3月ニューヨーク生まれ。
マイケル・ペーニア1976年1月イリノイ州シカゴ生まれ。
ティア・レオーニ1966年2月ニューヨーク生まれ。