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初体験 全身麻酔手術!

2013-11-30 12:53:08 | 健康

 体験した人から見れば、全身麻酔手術なんて大げさに言うほどでもないとおっしゃるかもしれない。しかし、初めての私にとっては恐怖以外の何者でもない。

 とはいっても痛みと苦痛が伴わない手術となれば、どこかで折り合いをつけねばならない。入院した以上は逃げることも隠れることも出来ない。勿論、死を恐れているし合併症などの重篤な事態にも恐れている。

 私の友人の何人かはもうすでにこの世にいないが、私が黄泉の国に旅立っても早すぎるということもない。が、何故かこの世に未練があるようなのだ。

 で、何事も100%安全というものはない。この全身麻酔にも高血圧症では脳内出血、くも膜下出血の危険、不整脈や脳梗塞にかかった人では脳梗塞の危険、一度心筋梗塞を起こした人の心筋梗塞の危険、長時間寝たきりや高齢者、肥満の人には発生率は低いが肺塞栓症という死亡率6人に一人といわれる危険がある。

 従って事前の準備が大事。私のように持病の糖尿病や高血圧症があるとすれば尚更だ。心臓の超音波検査や肺活量まで測った。
 歯科では、手術中に安全に呼吸をするための指の太さぐらいの柔らかい管を入れるときに、歯がかけたり抜けることをある程度防止するためのマウスガードを作ったりする。

 前日に手術や麻酔についての説明とともに手術承諾書と輸血同意書にサインを求められ当日を待つことになる。私の手術は、「喉頭腫瘍切除術」と言って口から鉗子(かんし)を差し入れ腫瘍を切除することになる。

 11月27日午前11時、手術室から15分後に来るようにと連絡があったと看護師が告げに来た。手術着に着替え、両脚には深部静脈血栓(飛行機旅行などのエコにミー症候群と同じ病態)防止の圧迫ストッキングを穿いて水分補給の点滴をゴロゴロと引っ張りながら3階の手術室に到着。家族はこの前で手術が終わるまで待機。

 ここ国立病院機構千葉医療センターのこの部屋は馴染みの部屋だった。二年前に白内障の手術を受けたところだ。手術室は、ドアを一歩入ると独特の雰囲気がある。少し薄暗く中央にベッドが横たわっている。それも寝心地の悪いベッド。頭上には円形の大きな照明設備。ここで死出の旅の片道切符を受け取るか、Uターン切符なのかがはっきりする。ここはそういうところだ。

 当然のことながら、映画やドラマで描かれる手術の場面と同じだ。生年月日と名前を告げてベッドに仰臥を求められる。手術室担当看護師のテキパキとした手術準備が進む。心電図、一定の間隔で計測する血圧計、指先に挟む格好でパルスオキシメーターを装着。これは爪の色で呼吸や心臓の状態を監視するものらしい。足元に体温計や尿量測定を装着。すでに心臓の音がピッピッと聞こえる。
          
 そこでふと思い出したのが、パンフレットに書いてあった「手術室ではお好きな音楽を流すことが出来ます」だ。
 一体誰が聴くのかな。麻酔で眠らされれば何も聞こえないのにね。ところがネットで医師のブログに手術のことが書いてあって、それによると麻酔を施術するのはかなり緊張を強いられると言う。飛行機の離陸に例えられていて、麻酔が効くとほっとするらしい。そのあとに音楽をかけたり、冗談を言いながら手術が進むと言う。聴くのは医師と看護師だった。

 いよいよ酸素マスクが口元に当てられる。麻酔医の「深呼吸をして!」の言葉につられて二度までは覚えているが、三度目はもう記憶にない。あっという間に無意識状態。

 浦島太郎のように乙姫様に囲まれて至福のときを過ごせるかと思っていたがなんにもない。名前を呼ばれて意識が目覚めた。約1時間の所要だった。その後三時間の安静。頭は余りハッキリしない。麻酔が完全に消えるのは術後6時間経っていた。

 唾を飲み込んだ時に痛みがある程度で、喉が腫れたり呼吸困難、息苦しさ、息を吸うときにヒューヒューと音もしないので、夕方の担当医のチェックでも出血もなく明日28日退院と決まる。そして3泊4日の入院が終わった。

 それにしても、いくつかある病室には高齢者の多いことか。医学の進歩はますます高齢者を長生きさせる方向へと向かう。私のように早期発見を心がければ一体何歳まで生きるのか想像もつかない。おまけにタバコを吸わないで運動も適当に継続していれば尚更死とは縁遠くなる。
 が、若い頃は想像も出来なかった「ぽっくり寺」が、身近に感じられるのも事実ではある。
コメント
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