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リアルなレズビアンの世界「アデル、ブルーは熱い色’13」劇場公開2014年4月

2014-12-16 18:07:03 | 映画

              
 2013年カンヌ国際映画祭パルム・ドール賞を受賞した作品。179分という3時間に亘る同性愛を克明に描く。異性愛であろうと同性愛であろうと、愛の本質は変わらないというのがテーマなんだろう。そして、まるで主演女優二人のための映画のようだ。

 その二人とは、アデル役のアデル・エグザルコプロスとエマ役のレア・セドゥだ。長尺のせいか一場面の描写が克明だ。例えばアデルが自宅でパスタを食べる場面。しかもカメラは微動だにしないし、あまり上品とは言えない食べ方だ。くちゃくちゃと口を動かし、ナイフに絡まったパスタ片とソースを長い舌でべろりと舐める。

 わざわざこういうシーンを撮るのはどういう意図があるんだろう。 と観ながら思った。上流階級ならこういう描写はしないだろう。登場人物の階級を現しているのかもしれない。したがってアデルは庶民階級ということになる。

 その克明さは二人の親密な場面にも発揮される。映画サイトでは、官能的だと言うレビューが多いが、私はそれほどのものとは思わない。普通のドラマでもレズを描く場合があるが、それを超えるもでもないからだ。

 もう一つ感じたのは、等身大のフランスを感じることが出来るということ。食べ物なんかはその最たるもので、映画の中の家族やパーティで出されるのがパスタだった。
 日本でフランス料理の本として「フランスの家庭料理」を冠したものも多いが、そんな料理はお目見えしない。

 考えてみれば当然で、日本の伝統料理「和食」を毎日食べている人が殆どいないのと同様に、いわゆるフランス料理を毎日食べるフランス人もいない。
 家庭で食べるものは、結局簡単で美味しいものということになる。ハンバーグやカレーライスを食べるのと大して違いはない。

 演じる二人の女優アデル・エグザルコプロスとレア・セドゥがすばらしい。口元から覗く二つの大きな前歯と唇の開き具合が魅惑的なアデル・エグザルコプロス。

 斜めに構えて注ぐ視線と落ち着きのあるレア・セドゥ。ベッドでオットセイを連想させる全裸で横たわる二人。

 カメラは大写し気味の構図で被写体を捕らえて舐めるように動く。3時間もの長さも短く感じられた。
           
           
監督
アブデラティク・ケシシュ1960年12月チュニジア生まれ。

キャスト
アデル・エグザルコプロス1993年11月パリ生まれ。
レア・セドゥ1985年7月パリ生まれ。
コメント
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