作家の藤原智美さんが「シニアのファッション 相手重視」と題して読売新聞夕刊のコラムに書いてある。一部引用すると「シニアにとってのオシャレとは、手前勝手な理想のイメージを捨てることではないか。自分が満足すればよいのではなく、人にどう見られるかが一番大切。奇抜なデザインで目立つよりも、さりげない個性で好印象をもたらすものがベストだ。そうして選んだファッションは周囲を気遣い、相手を尊重することにつながる」
このご意見は、オシャレに限らずすべてに通じることに思える。ところでオシャレというのは、急にオシャレ心を持っても結果はよくない。若いころから続くというのがミソ。
私が男のオシャレで一番目をつけるのは、ネクタイの結び方だ。テレビなどで見るアナウンサーとか出演者、それにニュースなどの映像を観察すると、単に紐をぶら下げているという人が多い。ネクタイは自分で結ばないとダメ、奥さん任せにすると洒落男にはならない。オシャレは自ら求めるもので、与えられるものではない。
さて、そのネクタイの結び方のキモは、結び目にディンプルという小さなくぼみを作ることだ。これを作ることによって立体感が出る。無いと平凡。
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最後にきつい一発「フランス人形のような少女服に身を包み街を行くシニア女性を見かけることがあるが、あれは目のやりばに困る。独りよがりのファッションは、周囲の人が恥ずかしくなる。大人の着こなしは他人を困らせるようなものではダメだ」と藤原さん。