友人達を招いたパーティでピアノの演奏を求められたケイト(ヒラリー・スワンク)の指は、快調に鍵盤を叩く、しかし突然指が硬直する。診断は、ALS(筋萎縮性側索硬化症)だった。
何もかも人の手を借りないと出来ない。毎朝、夫エヴァン(ジョシュ・デュアメル)がアイメイクや口紅を塗る。勿論、シャワーを浴びたり排尿後の始末まで。しかし、エヴァンの出勤後が問題。
そこで女子大生のベック(エミー・ロッサム)が採用される。このベック、高校生の頃介護のポランティア経験しかない。しかも料理がまるでダメ、言葉も下品でファックなんて当たり前のように喋る。男関係も不純。そういうベックに顔をしかめるケイトではあるが、天性の陽気さと何でも学ぼうとする姿勢に賭けた。
このALSは、発症から3~5年で呼吸筋麻痺で死亡する。やがてケイトにもそのときが訪れる。肉親からは人工呼吸器の延命措置の希望が出される。
しかしケイトは、その判断をベックに委ねる。母親からは強い不満と怒りをベックに浴びせる。ベックはケイトの意思を尊重して「連れて帰るだけ」と言う。その夜、ベックに抱かれたケイトは永遠の眠りについた。
肉親はふたこと目には「愛している」というが、ケイトの気持ちを本当に理解しているとはいえない。愛の定義をどう理解していますか? 家族の愛、異性愛、人類愛。いくつもある愛の形。
詩的に表現した人がいる。「二人なのに一人のような感じ」ここには信頼が大きな位置を占めている。信頼があってこそ愛は本物になる。
ヒラリー・スワンクは、二度もアカデミー主演女優賞を受賞した女優で、殆ど車椅子の演技と病気の進行を言葉の不自由さで表現している。
ベック役のエミー・ロッサムは、子供の頃からオペラを学び、メトロポリタン劇場でプラシド・ドミンゴ、ルチアーノ・バヴァロッティなどとの共演の実績もある。この映画でも熱演と言える。エンドロールで彼女の歌声が重なる。「Falling Forward」をどうぞ!
監督
ジョージ・C・ウルフ1954年9月ケンタッキー州生まれ。
キャスト
ヒラリー・スワンク1974年7月ネブラスカ州生まれ。1999年「ボーイズ・ドント・クライ」2004年「ミリオンダラー・ベイビー」でそれぞれアカデミー主演女優賞受賞。
エミー・ロッサム1986年9月ニューヨーク州ニューヨーク市生まれ。
ジョシュ・デュアメル1972年11月ノースダコタ州生まれ。
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