
ミステリー分野で名高いジョー・R・ランズデールの原作「凍てついた七月」を映画化。額縁店の店長リチャード・ディン(マイケル・C・ホール)は、夜中に不法侵入者を射殺する。拳銃に弾を込めるのも手先が震えるほどおびえるマイケルだったが、犯人に懐中電灯を向けられとっさに引き金を引いた。壁とソファに血痕が飛び散る。
通報でやってきた警部は「フレディ・ラッセルというとんでもないヤツだ」という。フレディ・ラッセルの父ベン(サム・シェパード)も犯罪者で出所したあとリチャードにつきまとい始める。
警察の掲示板でフレディ・ラッセルの指名手配書を見たリチャードは、「私が射殺したのは別人ではないか?」と問いただすが「いや、フレディだよ」と言って譲らない。どうしても納得のいかないリチャードは、その夜警察の駐車場に車を停めた。そこで見たものは警部と二人の警官がベンを車に押し込むところだった。その車のあとをつけたところベンを泥酔を装って轢死させようとしていた。
こういう風にストーリーにひねりが加えられ、颯爽と現れたのが真っ赤なコンヴァーチブルにでかい雄牛の角をフロント・グリルに飾り、ナンバープレートには「Red Bitch赤いあばずれ女」が輝くジム・ボブ(ドン・ジョンソン)。
ドン・ジョンソンと言ってもほとんどの人は知らないかもしれない。名前を聞いてにやりとするのは老人だけかも。このジムが現れてからは、警察の陰謀も霞んでしまい、ベンの骨肉相食む壮絶な銃撃戦へと雪崩れ込む。
このジム・ボブが面白い。養豚業の傍らテキサスのヒューストンで探偵業もやっているという男。テキサス男の見本みたいで大きなテンガロン・ハットにカウボーイ・シャツとカウボーイ・ブーツ。ガンベルトが腰に巻きついていればまるでジョン・ウェイン。
養豚場で焼いたあのでかいベーコンには驚いた。でも、旨そうだった。前半は重々しい雰囲気のミステリー、後半はど派手な西部劇。最初拳銃に弾を装填するのも手がぶるぶると震えていたリチャードも、銃撃戦に突入すればショット・ガンでいっぱしのガンマンになってしまった。結構面白かったなあ。どうして劇場未公開なの? 劇場未公開


監督
ジム・ミックル出自不詳
キャスト
マイケル・C・ホール1971年2月ノースカロライナ州生まれ。
サム・シェパード1943年11月イリノイ州フォートシェリダン生まれ。
ドン・ジョンソン1949年12月ミズーリ州フラットクリーク生まれ。1985年「マイアミ・バイス」で大ブレーク。
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