ハーヴェイ・ワインスタイン事件というのは、過去の強制暴行や強姦、性的犯罪行為、性的虐待などの容疑でニューヨーク市警に逮捕され、2020年6月にニューヨークの裁判所から禁固23年の刑を言い渡され、ニューヨーク州バッファローの刑務所に収監されたとする事件。
このハーヴェイ・ワインスタインという人物、大物プロデューサーで「ミラマックス」という映画プロダクションを成功させた人物なのだ。彼自身も1998年にプロデュースした「恋におちたシェイクスピア」でアカデミー賞作品賞を受賞している。プロデューサーとしては有能だったが、残念ながら異常な性癖の持ち主だった。
2017年大手地方紙ニューヨーク・タイムズは、ジョディ・カンターとミーガン・トゥーイーという女性記者による調査報道記事を掲載した。これがきっかけで逮捕・収監となり#Metoo運動にも発展する。これの詳しい経緯は、2023年の映画「SHE SAID~その名を暴け」がいいと思う。アマゾン・プライムで観ることができる。
一方ジャニーズ問題の張本人故ジャニー喜多川の性癖ボーイズ・ラヴが賑やかだ。1999年週刊文春が特集記事を掲載、それに対して名誉棄損としてジャニー側が訴えたが敗訴する。それから20年近くジャニー喜多川の性的虐待が続く。
2023年3月、BBC(イギリス公共放送)が、ドキュメンタリー番組「Predator: The Secret Scandal of J-Pop(邦題: J-POPの捕食者 秘められたスキャンダル)」が放送され、ジャニー喜多川が故人ということもあってか、メディアも取り上げるようになった。このメディアの姿勢には失望する。ニューヨーク・タイムズのようにワインスタインの脅しにもめげず、毅然として初志を貫徹した。報道機関の矜持を感じる。
ひるがえって我が国、外国の報道機関の一矢(いっし)によって、我が国の報道機関がこぞって取り上げる様子は情けない気がする。特にNHKだ。公共放送なら早々にこの問題をジャニー喜多川の生前に放送すべきだった。勇気もプライドもないNHK。朝も夜もニュース番組に何人ものアナウンサーを並べているのは無駄というものだ。個性的なキャスターを育て、一人で放送してもらいたい。ひいては受信料の値下げに発展すれば言うこなし。
しかし、この二人の異常性癖者が男であることが悲しいというか哀れだが、ある意味男の宿命か。ほとんどの男は理性で何とか乗り越えてはいるが……。主題からかなり外れてしまったが悪しからず。ちなみにBBCのドキュメンタリー番組に関心があれば、どうぞご覧ください。
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