今年の猛暑は、アウトドアという気になれなかった。ようやく平年並みの気温に落ち着いて、熱帯夜からも解放されどこかへ出かける気分になった。
11日から12日にかけて北横岳と縞枯山の間に架かるロープウェイで坪庭を散策、あと山梨県北巨摩郡白洲町にある篠沢大滝キャンプ場でキャンプ、翌日武田信玄の菩提寺恵林寺の拝観とぶどうの丘に立ち寄って帰宅というスケジュールを計画した。
ところが天気は、意に反して11日雨、12日晴れとの予報。したがってスケジュールを逆にした。
11日起床3時半、朝食後キャンプ道具積み込み。結局5時半に自宅をスタート。この時間帯の首都高の標識には、時速40キロ以上の走行で順調、なんの渋滞表示もなかった。
小雨が降り続いていて時折ワイパーが窓を払う。調布あたりで午前7時半頃、上り車線の渋滞が始まっていた。わたしたちは中央道下り、渋滞には無縁だった。
笹子トンネルを抜けると、そこは甲府盆地への入り口。笹子トンネルの中では、思わず天井を見上げていた。あの考えられない悲惨な事故。犠牲になった人たちの冥福を祈らずには居られない。
トンネルを出ると明るい陽射しが射しこんで、雨のかけらもない。乾徳山恵林寺には午前9時少し前に着いた。風林火山の武田信玄の菩提寺で、国指定の重要文化財や名勝の庭園が見どころ。宝物館も時間があれば見るのもいい。拝観者もチラホラ、約1時間の散策後近くにあるぶどうの丘の地下のワイン貯蔵庫を見学。
ここは無限にワイン試飲ができる。だだし、タートヴァンという試飲用の小さな器を1100円で購入しなければならない。まわし飲みは禁止だから、一人一個を買うことになる。ここは十数年前以来の再訪で、若い人たちも結構来ていた。
国道20号線を小淵沢方面に走りながら、昼食を何にするかが車内談義になった。あれこれ言いながらセブン・イレブンでホット・サンドとは知らないで買い、暖めないでそのまま食べる羽目になった。
ウィークデイのキャンプ場は、気味が悪いくらいひとけがない。この日の篠沢大滝キャンプ場も、夫婦と子供一人の若い家族連れがテントを張っている程度だった。難民キャンプを連想させる休日前の混雑を思うと極楽気分になった。
バンガローが十数棟とオートキャンプ場が併設されていて、新しくてキレイな炊事場と洋式の便器がそろうトイレは快適だった。
夕食は炭火のバーベキュー。焼き鳥にタマネギ、しいたけ、えりんぎ、しめじにバターを加えてホイル焼き。遠火でお餅、かぼちゃ、スィートコーンを焼く。時間はかかるけど、遠火で焼くこれらはガス火では絶対出来ない美味しさだ。
夜も更けて川べりにあるキャンプ場で、水の流れる音がやけに耳について時々眠りが醒める。そんな時、誰かの足音が聞こえた気がした。人間が歩く音でもない。ざくっと二度ほど。ファスナーを開けてみても誰もいない。翌朝息子に話すと、それはカエルじゃないかという。多分そうかもしれない。
昨夜の夜空は、満天の星空だった。12日は快晴。キャンプ場で迎える朝は、いつもすがすがしくてひんやりとした空気に包まれていて、生きていることに感謝する気持ちが湧き起こる。
今日の目的地、北八ヶ岳ローウェイの山頂駅周辺は、標高2237㍍のある溶岩台地の坪庭で、33万㎡の広さがある。スニーカーで行けるとあって観光客が多い。一周30分ほどのコースがある。途中から北横岳への登山道があって登り60分とあるが、かつての私なら迷わずそちらに足を向けただろう。今は老いぼれたのか、その気力がない。もっぱら海を眺めるのがよしとするようになった。
久しぶりのキャンプは、気分を爽快にしてくれた。今度は海の近くでキャンプをしようかと考えている。
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