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映画「ザ・マスターThe Master ’12」劇場公開2013年3月

2013-10-11 17:01:43 | 映画

 この映画をいつもの気分で観ると、終わったあと新興宗教に洗脳されたように感じる。なにしろ主人公フレディ・クエル(ホワキン・フェニックス)は、太平洋戦争に海軍で従軍し精神を病んで帰国した。暴力的でセックスに執着する男だ。

 そのフレディが酔っ払って新興宗教団の船に潜り込んだのが教祖ランカスター・ドッド(フィリップ・シーモア・ホフマン)との出会いとなる。なにやら一向に分からない教義を説くドッド。途中から歌を歌い踊り始める。女性信者はすべて一糸まとわぬ裸。隠そうとしない陰毛。しかし、男はスーツ姿。この宗教は本来男も女も素裸になるのだろう。映画的には、それはムリ。
            
 わけが分からないまま、やがて教祖の妻ペギー(エイミー・アダムス)がフレディに宣告する。「無意味よ。自分を治そうとしない」否定されたフレディ。ドッドとたもとを分かち、とある田舎の酒場。目のあった女とベッドへ。フレディには今が一番の人生。追いかけるように暗示的な「チェンジング・パートナー」の曲が流れる。

あなたとワルツを踊っていたの 
夢のような甘いメロディで 
”相手を変えて”と声が聞こえて 
あなたは私から離れていった 
もう私の腕にあなたはいない 
ひとり寂しくフロアを見つめ 
相手を変えて踊り続ける 
もう一度 あなたを抱きしめるまで

 よく分からない部分もあるにしても、フレッド・クエルを演じたホワキン・フェニックスには驚嘆する。アップのシーンがかなりあるが、その表情はまさに精神を病んだ男だし、歩き方も猫背でくたびれた感じがする。決して格好いい男ではない。それでも彼の姿は、脳裏に焼き付けられる。
            
            
その60年ほど前の曲「チェンジング・パートナー」をパティ・ペイジでどうぞ!

監督
ポール・トーマス・アンダーソン1970年10月カリフォルニア生まれ。

キャスト
ホアキン・フェニックス1974年10月生まれ。「スタンド・バイ・ミー」で有名になったリヴァー・フェニックスの弟。本作でヴェネチア国際映画祭の男優賞受賞。
フィリップ・シーモア・ホフマン1967年7月ニューヨーク州フェアポート生まれ。’05「カーポーティ」でアカデミー主演男優賞受賞。
エイミー・アダムス1974年8月イタリア、ヴィチェンツア生まれ。

読書「ムーンライト・マイル」デニス・レヘイン

2013-10-09 17:54:29 | 読書

 主人公の私立探偵パトリックと妻のアンジー・シリーズ最終回となる第六作目。このパトリックとアンジー・シリーズを読むのは初めてだ。いきなり最終回とは、なんだか気分が白けてしまう。

 私立探偵だから何かの事件を解決するのは間違いない。この作家の作品は、ノンシリーズ物は読んでいた。映画化された「ミスティック・リバー」「シャッター・アイランド」などだ。ちょっと暗くて気分が重くなったことを憶えている。

 パトリック・アンジー・シリーズの「愛しき者はすべて去りゆく」が「ゴーン・ベイビー・ゴーン」のタイトルで映画化されたのを観た。この映画は、俳優でもあるベン・アフレックが監督して、どうして未公開なのか不思議な気がするほどよくできた作品だった。

 16歳の少女アマンダを再び探すと言うのが「ムーンライト・マイル」。ボストンが舞台で実在のレストランが出てくる。ノースエンドの「ネプチューン・オイスターNeptune Oyster」がそれ。

 「ロールパンにロブスターをはさんだサンドイッチは、ここがボストンで一番の旨さだろう」と書いてある。ロブスター・ロールと店の雰囲気が分かる写真を掲載しておこう。ボストンへ観光に行かれる方は、この店のロブスター・ロールの賞味をお忘れなく。
             
             

読書「世界の変なトイレ」モーナ・E・グレゴリーとシアン・ジェームズの共著

2013-10-07 16:59:17 | 読書

 英語でトイレを27語以上の表現があるらしい。日本語では、便所、お手洗い、化粧室、ご不浄、雪隠(せっちん)、厠(かわや)、手水(ちょうず)、禅寺では東司(とうす)と言い、もっとあるようだし、業界によっては隠語もあるらしい。スーパーのレジ係りでは3番とも言っているようだ。

 このトイレ、洋の東西を問わず古来から行為の形は変わっていない。つまり、しゃがむか、腰掛けるの二つに男子専用の立ちションが加わるというもの。昔は野外での排泄が当たり前だったのが、いまや水洗トイレが常識となった。が、その常識が通用しないところもある。インドでは屋外が常識みたい。

 そんなトイレ事情をカナダ出身の二人の女性が世界を見て歩いたトイレ考察記。中を二つ三つ覗いてみよう。

 まず驚いたのが、女性用立ちショントイレ。これはカナダにあるウィスキーカフェに存在する。引用してみよう。「ユリネット(L'urinette)」は、珍しい女性用小便器のモデルの一つだ。最初こそこの奇妙な装置にギョッとするものの、図解された使用説明書の通り、実際とてもシンプルな仕掛けになっている。まずはハンドルを下げて、自分の方に引き寄せる。

 そして壁のディスペンサーから紙のカバーを取り出し、カップにかぶせる。ハンドルを調節して局部に当てれば、あとは出すだけ。使用後は、ハンドルを後ろに戻して解除すれば、自動的に紙が外れて水が流れる仕組みだ。これで貴女も「男子の気分」が味わえるはず」とある。

 男子の気分はいいけど、ちょっと使い勝手がいいとも思えない。著作権の関係で画像を表示できないのが残念。

 「至れり尽くせりの幸福体験」というキャプションがついた日本のトイレ。
「このトイレを一言で表現するならば「甘い経験」である。至福のときは、心地よい温度に設定された暖房便座から始まる。そして本格的に事に移る前に、公共の場で用を足すのが恥ずかしい人にとっては嬉しい配慮、流水音ボタンを押してみよう。排泄音が隣近所に聞こえないようにあらかじめ準備された擬音装置で、好きなときに音を流すことが出来る。さて、用を足し終えたら、残りのボタンを試す時間だ。「ビデ」は、局部全体を心地よい温水噴射で洗浄してくれる。

 そして「おしり」は、より限られた部位を強めの噴射で洗浄してくれる機能である。なお、どちらも温水の温度と洗浄力の強さを調節することが出来る。洗浄が済めば、温風(または好みで冷風)乾燥して仕上げだ。次回訪問が待ち望まれる」という具合。このトイレは、汐留シオサイトの写真が掲載されている。

 さらに「世界一愉快なトイレ」として新宿にある「青龍門新宿店 天と地」が紹介されている。文章が長くなるので要点だけを引用すれば「男性用小便器では口の形をしていて前に立つと音楽が鳴り響き、口は左右に揺れる。

 もう一つは、天井まで届くという巨大な男が天秤棒で小便器を吊り下げていて、ズボンのチャックを下げると「これは、よいモノをお持ちで!」と冷やかす。そういう彼の巨大なモノも、ぴったりとしたブリーフの中ではちきれそうになっている」

 まあ、こういうトイレは、実物を見るのが一番いい。お暇なときに出かけてみるのも一興かと存じます。ちなみにネットで調べてみると、料理の味の方もいいようで……予算は3000円ぐらいとか。
               

カリスマ料理研究家のマーサ・スチュワート「壊れたiPad取りに来ない」とツィッターに書き込む。

2013-10-03 16:10:57 | 海外テレビ・ドラマ

 ロイターの記事はこうある「 米料理研究家のマーサ・スチュワートが、米アップルのスティーブ・ジョブズ前最高経営責任者(CEO)からもらったという「iPad(アイパッド)」を壊してしまったことから、アップル社員に修理に来てもらいたいとツイッターに投稿。これがアップル側の反発を買い、ちょっとした騒動になっている。
 
 25日付のツイッターの投稿によると、スチュワートさんはiPadを落として、スクリーンの一部が欠損。翌26日に「アップルの担当者が(修理のために)取りに来てくれるのを待っているが、まだ反応はない」と投稿した。
 
 しかし、こうした書き込みにアップル側が反発をしたようで、スチュワートさんは同じ26日の投稿で、「アップルの広報がiPadに関するツイートで私に腹を立てているなんて信じられない。スティーブ・ジョブズからもらったのに」と、アップル側へのいら立ちを示した。
 
 アップルの規約では、iPadを修理する場合、顧客が店舗に持ち込む必要があり、インターネット上にはスチュワートさんの一連の投稿をからかう書き込みなどが多く見られた」

 マーサ・スチュワートがアップルのこの規約を知っていたんだろうか。知らなくても、いきなりツィッターに書くというのはちょっと誤解を招く。

 マーサ・スチュワートもインサイダー取引で刑務所に入ったこともあって、今ではかつての人気もなく低迷しているらしい。その苛立ちの発露かもしれない。

 ちなみにこの人のレシピをのぞいてみると、キレイな写真が一杯あるが、お味はいかがかな。
二つほど写真をどうぞ!

ブランチ・レシピ
生クリーム、うずら卵、タラゴンのエゾアサツキ・ブリニー(Chive Blini with Creme Fraiche, Quail Eggs, and Tarragon) ブリニーはロシアの家庭料理でパンケーキのようなもの。タラゴンはフランス語でいうエストラゴンのことで、ドレッシングなどサラダの味付けに使用。料理の味を劇的に変化させることから「魔法の竜」と呼ばれている。
             
スモークサーモン・レシピ
スモークサーモン、キュウリとレッド・オニオン添えライ麦トースト
(Rye Toasts with Smoked Salmon, Cucumber, and Red Onion )
             

ダイアナを演じたナオミ・ワッツが不評とニューズウィーク日本版

2013-10-01 15:50:13 | 映画

 記事を引用すると「『クィーン』(06年)でエリザベス女王を演じたヘレン・ミレン、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(11年)でサッチャー元英首相を演じたメリル・ストリープ。共に歴史上の人物を圧倒的な存在感で演じ、アカデミー賞をはじめその年の主演女優賞を総ナメにした。だが今年、『ダイアナ』でダイアナ元英皇太子妃を演じたナオミ・ワッツの場合は残念ながら、これに当てはまらないようだ。
 この伝記映画が今月初め、ロンドンでプレミア上映されると、すぐに地元メディアから手厳しい批評が続出した。
 
 ガーディアン紙は「『カークラッシュ映画』という言葉は使いたくないが、悲しいかな、そう評するよりほかにない。97年に悲惨な交通事故で亡くなったダイアナ妃が、16年たっていま一度むごい死に方をしたようだ」と嘆いた。さらに主演のワッツについては「人形劇の操り人形のように血が通っていなかった」と、こき下ろした。
 
 大衆紙ミラーはもっと辛辣だった。「髪の色以外、外見も話し方もしぐさも、ダイアナ妃とは似ても似つかない。(黒人俳優の)ウェズリー・スナイプスがブロンドのウィッグを着けて演じたほうが、まだ真実味があっただろう」
ここまでボロクソに言われたら、今後ダイアナを演じる勇気ある女優はもう現れないかもしれない」

 それにしても言いたい放題の酷評だ。イギリス出身というのにね。決して大根役者じゃない。’03「21グラム」’12「インポッシブル」でアカデミー主演女優賞にノミネートされるくらいだから。

 顔かたちがダイアナ本人は細面だったが、ナオミ・ワッツは少しふっくらしている感じはある。イギリス人は、異常なほどダイアナを崇拝しているようで、その影響かな。メリル・ストリープが演じた「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」の中でもダイアナ死亡にまつわるシーンで顕著だった。

 日本ではこの映画がどう受け止められるか見ものではある。ちなみに日本公開は、10月18日となっている。