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恋情を募らせる朗読役シドニー・ラボルドの悲しい運命の映画「マリー・アントワネットに別れをつげて」

2013-10-30 15:59:20 | 映画

                 
 1793年10月16日フランス、パリ、革命広場の断頭台で37歳の生涯を閉じた王妃マリー・アントワネット。その朗読役シドニー・ラボルド(レア・セドゥ)は、ほのかに王妃への恋情を持つが伝わらない。

 1789年フランス革命のはじまりとされているバスティーユが陥落。王政側の命を狙われている286名のリストが出回る。宮殿から逃げ出す人々。ことは急を告げていた。

 夫ルイ16世の性的不能もあったのか、王妃アントワネットはポリエセック夫人(ヴィルジニー・ルドワイヤン)と恋人関係にあった。そしてシドニーが命じられたのは、ポリエセック夫人になり代わること。ポリエセック夫妻は従僕と給仕女に変装して馬車で逃亡する。途中の検問でもうまく逃れて夜の闇に消えた。

 遠ざかる馬車に重なって「私はシドニー・ラボルド 身寄りのない孤児 王妃の元朗読役 王妃の命令どおりヴェルサイユから去る そして誰でもなくなる」とナレーション。
 天涯孤独の一人の女。ようやく掴んだ幸せな時間も、心を寄せる王妃の命令は過酷だった。それでも生き延びたシドニーは、元の身寄りのない一人の女となった。

 映画はヴェルサイユ宮殿でのロケーションもあって絢爛な場面と使用人の住む区画の薄暗い部屋や廊下との対比は物悲しささえ感じる。
             
             
 それにレオ・セドゥの正面からのヌードやポリニャック夫人役のヴィルジニー・ルドワイヤンが就寝中にシドニーが上掛けを剥ぎ取り全身を露にするというのは必要なのかと思われる。
 観客へのサービスなのか、監督自身が女優の裸を見たいからシーンを入れたのか。その程度のシーンに思う。
             
             
 とはいっても、悲しみの残る映画だった。それに哀しみといえば、マリー・アントワネットの最期の言葉は、死刑執行人の足を踏んでしまった際に発した「ごめんなさいね、わざとではありませんのよ。でも靴が汚れなくてよかった」だったと伝えられる。とウィキぺディアにある。断頭台に上るほどのことでもなかったかもしれないマリー・アントワネット。時勢の流れは容赦がない。

監督
ブノワ・ジャコー1947年2月パリ生まれ。

キャスト
レア・セドゥ1985年7月パリ生まれ。’11「ミッション;インポッシブル/ゴースト・プロトコル」や「ミッドナイト・イン・パリ」がある。
ダイアン・クルーガー1976年7月ドイツ、ニーダダクセン生まれ。
ヴィルジニー・ルドワイヤン1976年11月パリ生まれ。
コメント
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