記事を引用すると「『クィーン』(06年)でエリザベス女王を演じたヘレン・ミレン、『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(11年)でサッチャー元英首相を演じたメリル・ストリープ。共に歴史上の人物を圧倒的な存在感で演じ、アカデミー賞をはじめその年の主演女優賞を総ナメにした。だが今年、『ダイアナ』でダイアナ元英皇太子妃を演じたナオミ・ワッツの場合は残念ながら、これに当てはまらないようだ。
この伝記映画が今月初め、ロンドンでプレミア上映されると、すぐに地元メディアから手厳しい批評が続出した。
ガーディアン紙は「『カークラッシュ映画』という言葉は使いたくないが、悲しいかな、そう評するよりほかにない。97年に悲惨な交通事故で亡くなったダイアナ妃が、16年たっていま一度むごい死に方をしたようだ」と嘆いた。さらに主演のワッツについては「人形劇の操り人形のように血が通っていなかった」と、こき下ろした。
大衆紙ミラーはもっと辛辣だった。「髪の色以外、外見も話し方もしぐさも、ダイアナ妃とは似ても似つかない。(黒人俳優の)ウェズリー・スナイプスがブロンドのウィッグを着けて演じたほうが、まだ真実味があっただろう」
ここまでボロクソに言われたら、今後ダイアナを演じる勇気ある女優はもう現れないかもしれない」
それにしても言いたい放題の酷評だ。イギリス出身というのにね。決して大根役者じゃない。’03「21グラム」’12「インポッシブル」でアカデミー主演女優賞にノミネートされるくらいだから。
顔かたちがダイアナ本人は細面だったが、ナオミ・ワッツは少しふっくらしている感じはある。イギリス人は、異常なほどダイアナを崇拝しているようで、その影響かな。メリル・ストリープが演じた「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」の中でもダイアナ死亡にまつわるシーンで顕著だった。
日本ではこの映画がどう受け止められるか見ものではある。ちなみに日本公開は、10月18日となっている。