ブログや日記に書くのは、観た映画に感動したり何かしら参考になったり、影響を受けた作品が主になる。でないと書く意欲が湧かない。しかし、徹底的にどうしよもないダメ映画も鬱憤晴らしもあるが、書きたくなるものだ。まさにこの映画がそれだ。
お話というのは、飲酒運転で人身事故を起こした刑事が、有罪判決を受け刑務所での務めを終えて警備会社の仕事をしていた。当然家庭は破壊され別居状態。この元刑事は、毎週土曜日に息子と会えることになっている。息子と過ごす時間が唯一の慰めのひと時だった。
ところが元妻とその恋人と息子とともに闘牛を観戦しているとき、運悪く息子がトイレでマフィアの殺人現場を目撃したことから事態は大きく転換してアクションの連続となる。息子思いの元刑事の活躍がメイン。
この映画は、アクションシーンを撮るために作ったとしか思えないほど不自然さや矛盾がある。第一、刑事が飲酒運転で人身事故を起こし刑務所入りなんていう状況設定が薄っぺらだし共感できない。
しかも、高速鉄道(高速鉄道だと思う。新幹線車両のような列車だ)で元刑事が付き添い母子を隠れ家へ移送するが、マフィアの連中がその列車に乗り込んだのを知った元同僚が車で次の駅まで追跡する。しかも、乗っているパトカーを追突させ、一般市民の車を強引に取り上げて走る。警察官の運転未熟を露呈。そういう腕なのに列車が急停車したところで追いつくという按配。いくら車が早いといっても高速列車に追いつくはずがない。お手軽もいいところだ。
さらに、この列車内ではマフィアの連中と元刑事の銃撃戦が展開されている。当然鉄道関係者は、警察へ通報しているはず。それなのにヘリコプターも来ないし、もちろんパトカーや救急車の姿はない。
こういう話は、当然マフィアが全滅することになっている。それはいいが、最後の一人のマフィアと元刑事の殴り合いの死闘は、対抗線の高速列車にマフィアが轢かれて死ぬというもの。驚いたことに、高速列車は急ブレーキもかけずそ知らぬ顔で爆走してしまった。いくら映画だといってもリアルな部分も入れてほしい。一事が万事いい加減な出来だった。
よくもこんな映画を輸入して劇場で上映したなと思ってしまう。しかもDVD化までも。うんざり。で、監督の出自を調べてみると生年月日や出身地は不明で、ファッション関係の広告がもとの仕事のようだ。いうなれば、映画の素人だ。こんな映画なら、私にだってもっとうまく作れると思ってしまう。私の勝手な思い込みは、このなにやら男の友情を謳いあげるようなタイトルに騙された。
監督は、フレッド・カヴァイエという。警備会社に勤める元刑事にヴァンサン・ランドン1959年7月フランス生まれ。元パートナーを組んでいた刑事にジル・ルルーシュ出自不明。ランドンの元妻にナディーン・ラバキー1974年2月ベイルート生まれ。