日ごろクラシック音楽とは縁遠い私でもデヴィッド・ギャレットの超絶技法には驚いた。私の貧弱な知識では説明の仕様がない。
とにかく、「悪魔のヴァイオリニスト」と言われたニコロ・パガニーニ本人は、俗に言う変人だったんでしょう。要するにヴァイオリンの演奏以外は世間の常識からは逸脱しているからだろう。したがって女好きで酒飲みですべてが度が過ぎるというのだろう。
1830年、無名時代にウルバーニ(ジャレッド・ハリス)が「その才能を世間に知らしめて有名にしてやる」という話を持ちかけて来たのがものの発端だった。ニコロ・パガニーニ(デヴィッド・ギャレット)は、その話に乗る。卓越した技法を持つパガニーニは、当然のように一世を風靡する。
観客の若い女性たちは、まるでエルビス・プレスリーのコンサート会場のような黄色い声を張り上げる。とにかく映画を観るか、デヴィッド・ギャレットのCDでも聴くほうが早い。
パガニーニを演じたデヴィッド・ギャレットは製作、音楽、主演をこなし、男の目から見てもなかなかセクシーに見えた。ドイツ人弁護士の父親とアメリカ人のプリマバレリーナの母親から生まれたとは思えないラテン系のような色気を漂わせている。女性が夢中になるのも当然かなと思う。
もう一人注目すべき可愛い女優がいた。アンドレア・デックと言いアメリカ出身でロンドン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アートを2011年に卒業。その後、リドリー・スコットの「悪の法則」にも出ているが端役だった。本作が本格的出演といっていい。
アンドレア・デック演じるシャーロットとの恋が破れ、悲しみのうちにこの世を去るパガニーニ。そしてデヴィッド・ギャレット自身は「僕の野望はクロスオーバーな楽曲をクラシックの作品のように高いレベルにアレンジすることだ」と語る。劇場公開2014年7月
失神する女性も出る演奏会場のカプリース24番を映画からどうぞ!
監督
バナード・ローズ1960年8月ロンドン生まれ。
キャスト
デヴィッド・ギャレット1980年9月ドイツ生まれ。
ジャレッド・ハリス1961年8月ロンドン生まれ。
アンドレア・デックアメリカ生まれ。クリスチャン・マッケイ1973年イギリス生まれ。