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1944年10月25日ニューヨーク、カーネギーホールで76歳のフローレンス・フォスター・ジェンキンス(メリル・ストリープ)は、得意のソプラノで念願の晴れ舞台を飾った。ニューヨーク・タイムズの批評は劣悪だったが、どういうわけか聴衆は喜んだ。狂いまくる音程をものともせず明るく歌うフローレンスには別の魅力があった。
それを支えたのは夫シンクレア・ベイフィールド(ヒュー・グラント)だった。ピアノ伴奏のコズメ・マクムーン(サイモン・ヘルバーグ)の力添えも活力を与えた。
超ベテランのメリル・ストリープ、ベテランのヒュー・グラントに混じってコメディアンのサイモン・ヘルバーグがよくやったと言う印象。三人とも絶妙の表情が秀逸だった。
カーネギーホールでソプラノ歌手リリー・ポンス(アイーダ・ガリフッリーナ)の歌声に感動したフローレンスは、過去に音楽家を目指した自身を今再びソプラノのレッスンに情熱を燃やし夫に相談する。そしてピアノ伴奏者のオーディション。
「静かな曲を弾いて!」とフローレンス。受験者のコズメ・マクムーンは、サンサーンスの「白鳥」を弾く。ピアノを弾くのはコズメ役のサイモン・ヘルバーグであるが素晴らしい出来だ。YouTubeで二・三聴いてみたがサイモンの優しくて柔らかな音色は他を圧倒する。
フローレンスは気に入る。そして練習初日。メトロポリタン歌劇場の副指揮者の指導で始まった。序奏が終わって発声が始まる。音程の狂った雑音でしかない甲高い声に度肝を抜かれるコズメ。その表情をうまく表現したサイモンに大笑いだった。
歌唱もプロ級のメリル・ストリープ。劇中は下手に歌うが時折上手の地が出る。完璧に下手に歌うのは難しそうだ。お口直しでもないだろうが、最後にまともな「When I have sung my song's to you」が聴ける。
当時不治の病とされた梅毒を抱えながら「音楽は私の人生そのものです」と言って天真爛漫な生涯を閉じた。愛すべきマダム・フローレンスと夫シンクレア・ベイフィールドの愛の絆だった。
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実際のフローレンス・フォスター・ジェンキンスの歌声は、YouTubeでも聴ける。ここではメリル・ストリープの「When I have sung my song's to you」をどうぞ!
監督
スティーヴン・フリアーズ1941年6月イギリス、レスター生まれ。
キャスト
メリル・ストリープ1949年6月ニュージャージー州生まれ。
ヒュー・グラント1960年9月イギリス・ロンドン生まれ。
サイモン・ヘルバーグ1980年12月カリフォルニア州ロサンゼルス生まれ。
レベッカ・ファーガソン1983年10月スウェーデン生まれ。
ニナ・アリアンダ1984年9月ニューヨーク州ニューヨーク市生まれ。
アイーダ・ガリフッリーナ1987円9月ロシア生まれ。
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