お姉さまの花郁 悠紀子さんに続いて、波津 彬子さんを読んでいます。
最初に読んだのは「水に棲む鬼」 「秋霖の忌」 「鏡花夢幻」(泉 鏡花原作) いづれも白泉社 刊の短編集3冊。
詳しくは波津先生のファンサイトに書影及び収録作品について載っています。 → 波津ぱらだいす
みな読みきりなのですが、初出年が近くなるほど絵柄が私好みになるというか、この人の昔の絵柄があまり好きでなかったので、コミックス買った事なかったのですが、夜さん箱に入れて頂いたので、今回しっかり読んで見ました。
この中では泉 鏡花原作つきの1冊をじっくり読んでしまいました。もちろん他の作品も良いお話でしたけど、これは3話みな戯曲なのでドラマチックなのですよ。
最初の一遍、「天守物語」 は以前玉三郎がやりましたよね。姫路城の五重の天守が舞台なので、最初の場面にドーンと遠景が出てきます。この建物の絵が細かい。
私はいつの頃か忘れるほど昔に銀閣寺をペン画で描いた事があるのですが、(もちろん素人の絵) えっらい時間がかかりました。たったの1枚でこうですよ。まんがを描くのは大変だけど、見るほうは ぱっと 見て、綺麗ねー、で次のコマでしょ。因果な商売ですよねー。
もちろん印刷して日本中にあまねく (時には世界へも) ばら撒かれるわけですし、印刷物だから、手元において何度も見られるという利点もあるけど。
作者は手抜きしたくないのでしょう。好きなんですよ、結局。納得するまで描き込んでいます。その気持ちは分かる、分かるけれど、自分にはできない・・・。だーからマンガ家にはなれなかったのね。 ああ納得。 (いや、そういうことじゃなくて、そもそも才能がーー)
今読んでいる 「雨柳堂~」 でも、着物の柄からもちろんメインの骨董品から、お気に入りらしいランプまで、細かく描き込む方ですね、ため息ものです。
今回はストーリーどころじゃなくてすみません。ひたすら流麗な筆致にうっとりの3冊ではありました。
PS 1 そろそろ本職 (?) の60年代及びCOM話もやらなくちゃと思っています。
「COMの中の あすなひろし」 とか、
「COMの中の 松本 零士」 もしくは
「COMの中の 女流まんが家たち」
なんていかがでしょ。良い短編がありますぜ、だんな。
PS 2 1月17日の、「花郁 悠紀子氏の9冊」 の記事に、つるさんの長文のコメントを頂きました。大泉サロンについて詳しくコメントして頂いています。もったいないので、遡って読んで見てくださりませ~