㈱白泉社 花とゆめコミックス 1975年12月20日初版 これは 1976年5月20日の第2版
収録作 「私の愛したおうむ」 「本町51番地」 「薔薇よ薔薇よ」 「ユマ」 「木枯らしにふたりだけ」 「フェリシア」 「かもめ」 の7編
夜さん からお借りしています。
ささや ななえ とは - はてなダイアリー
りぼんコミックデビューの作家 第3弾 ささや ななえ氏です。私がささや氏の名前を認識して読み始めたのはデビューされてからずっと経ってからで、ビックコミックフォアレディ連載の 「おかめはちもく」 の頃から。アレは面白かったですよ~。主婦の日常を 昔からある家庭まんが の枠に収まらずに表現した、やっとこんなマンガが出る世の中になったのね、と大人のマンガ読みにはプチ感慨ものの、家庭コメディでした。
ですが、ささや氏は当時でも、もっと前から少女マンガ誌で活躍されていたベテランだったのですね。りぼんコミックでデビュー以来、りぼコミ や りぼん でも描いていたので、何作かは読んでいるはずですがあまり憶えてない。
初期の社会派的な作品や少女マンガには珍しい地方の普通の少年の話などもあったようです。(現在 夜さんからお借り中)
途中ミステリーがヒットして、そういう作品ばかり頼まれるようになったとエッセイマンガでぼやいていたのを以前読みました。(笑)
この本の中には7編の短編が入っていますが、最後にデビュー作の 「かもめ」 が収録されています。デビュー時の絵柄は石ノ森章太郎氏そっくりで、女の子は水野 英子氏似です。当時マンガ家志望の人の何割もがそういう絵を描いてました。かくいうわたしも真似て描いてました。(とてもへただったけれど) 上のはてなダイアリーにも、石ノ森氏に憧れていたとありますね。
「かもめ」 あらすじ
第二次大戦時、ドイツ国内の海岸で脱走してきたユダヤ人の少年を助けた少女とその弟。海岸にある洞窟に隠し、ドイツ兵の目をくらませていったん家に帰ります。ユダヤ人の悪口をいう父親に 同じ人間なのにどうして、と食って掛かりますが、その父親にドイツ兵に知らされて隠し場所を知られてしまいます。
初めから、ここには死にに来たんだと言っていた少年は追い詰められ、少女に笑いかけながら崖から海に飛び込みました。死体に取りすがって泣く少女。父親達に同じ人間なのに、と又、問いかけながら・・・。
というようなお話で、デビュー作で重いテーマに挑んでいます。少女マンガ家のデビュー作といえば、もっとねぇ、軽いラブコメとか学園ものとかあるでしょうに、なんて思いますが、そこは りぼんコミック というか、後々も社会的なテーマで描いている (最近も児童虐待テーマ有り) ささや氏ならではというか。
一方、表題作の 「私の愛したおうむ」 は継母や周囲全般との人間関係に悩む女の子の独白で進む内向的な作品。暗いです、救いがないです、ちょっと最後になって明るさが・・・。
作者も作品の横の欄 (掲載当時は宣伝スペースでしょうか) で自分が東京へ出てきた当時の 鬱的 な感情を描いてみたと言ってます。これ、問題作だらけのりぼんコミックでなく りぼん 掲載なんですが、背伸びしたい小学生高学年・中学生の女の子に衝撃を与えたのではないかと思います。自我が強くなって来るこの頃は、わたしなんて 誰にも愛されないのじゃないか、とか世の中に居場所の無い感覚がふっとあるのです。主人公の思いつめる様子がいじらしいですね。
他の5編も、学園物とかもありますが、やっぱりちょっと暗い影のちらつく作品やミステリーホラーっぽいものもあって、ハッピーエンドは1篇だけかな~。当初から一筋縄でいかないお話を描く作家さんですね。最近のものはあまり読んでいないので、ちょっと読んで見たくなりましたが、う~ん虐待をテーマにした 「凍りついた瞳」 か~、引くかも・・・。
収録作 「私の愛したおうむ」 「本町51番地」 「薔薇よ薔薇よ」 「ユマ」 「木枯らしにふたりだけ」 「フェリシア」 「かもめ」 の7編
夜さん からお借りしています。
ささや ななえ とは - はてなダイアリー
りぼんコミックデビューの作家 第3弾 ささや ななえ氏です。私がささや氏の名前を認識して読み始めたのはデビューされてからずっと経ってからで、ビックコミックフォアレディ連載の 「おかめはちもく」 の頃から。アレは面白かったですよ~。主婦の日常を 昔からある家庭まんが の枠に収まらずに表現した、やっとこんなマンガが出る世の中になったのね、と大人のマンガ読みにはプチ感慨ものの、家庭コメディでした。
ですが、ささや氏は当時でも、もっと前から少女マンガ誌で活躍されていたベテランだったのですね。りぼんコミックでデビュー以来、りぼコミ や りぼん でも描いていたので、何作かは読んでいるはずですがあまり憶えてない。
初期の社会派的な作品や少女マンガには珍しい地方の普通の少年の話などもあったようです。(現在 夜さんからお借り中)
途中ミステリーがヒットして、そういう作品ばかり頼まれるようになったとエッセイマンガでぼやいていたのを以前読みました。(笑)
この本の中には7編の短編が入っていますが、最後にデビュー作の 「かもめ」 が収録されています。デビュー時の絵柄は石ノ森章太郎氏そっくりで、女の子は水野 英子氏似です。当時マンガ家志望の人の何割もがそういう絵を描いてました。かくいうわたしも真似て描いてました。(とてもへただったけれど) 上のはてなダイアリーにも、石ノ森氏に憧れていたとありますね。
「かもめ」 あらすじ
第二次大戦時、ドイツ国内の海岸で脱走してきたユダヤ人の少年を助けた少女とその弟。海岸にある洞窟に隠し、ドイツ兵の目をくらませていったん家に帰ります。ユダヤ人の悪口をいう父親に 同じ人間なのにどうして、と食って掛かりますが、その父親にドイツ兵に知らされて隠し場所を知られてしまいます。
初めから、ここには死にに来たんだと言っていた少年は追い詰められ、少女に笑いかけながら崖から海に飛び込みました。死体に取りすがって泣く少女。父親達に同じ人間なのに、と又、問いかけながら・・・。
というようなお話で、デビュー作で重いテーマに挑んでいます。少女マンガ家のデビュー作といえば、もっとねぇ、軽いラブコメとか学園ものとかあるでしょうに、なんて思いますが、そこは りぼんコミック というか、後々も社会的なテーマで描いている (最近も児童虐待テーマ有り) ささや氏ならではというか。
一方、表題作の 「私の愛したおうむ」 は継母や周囲全般との人間関係に悩む女の子の独白で進む内向的な作品。暗いです、救いがないです、ちょっと最後になって明るさが・・・。
作者も作品の横の欄 (掲載当時は宣伝スペースでしょうか) で自分が東京へ出てきた当時の 鬱的 な感情を描いてみたと言ってます。これ、問題作だらけのりぼんコミックでなく りぼん 掲載なんですが、背伸びしたい小学生高学年・中学生の女の子に衝撃を与えたのではないかと思います。自我が強くなって来るこの頃は、わたしなんて 誰にも愛されないのじゃないか、とか世の中に居場所の無い感覚がふっとあるのです。主人公の思いつめる様子がいじらしいですね。
他の5編も、学園物とかもありますが、やっぱりちょっと暗い影のちらつく作品やミステリーホラーっぽいものもあって、ハッピーエンドは1篇だけかな~。当初から一筋縄でいかないお話を描く作家さんですね。最近のものはあまり読んでいないので、ちょっと読んで見たくなりましたが、う~ん虐待をテーマにした 「凍りついた瞳」 か~、引くかも・・・。