上の写真はパロディー劇場の ⑤ 梅図 まずお の 「おそろち」
長谷(ながたに) 邦夫氏は、1937年生まれ、「漫画少年」に投稿後石森(当時)章太郎氏の肉筆回覧誌 「墨汁一滴」 の執筆陣に加わるいわゆる「トキワ荘」のメンバーのうちの一人。スタジオゼロを経て、赤塚 不二夫氏のフジオ・プロダクション創立メンバーとなり、赤塚氏と二人三脚の時期が長かったが、現在は大学の講師など単独で仕事をしている。ウィキで調べて始めて知りましたが、1972年、井上陽水『氷の世界』収録曲「桜三月散歩道」の作詞で日本作詞大賞受賞。これ、びっくり!
詳しくは → ウィキ 長谷 邦夫
長谷邦夫パロディー劇場はCOMの誌上で 1969年4月号から始まっていて、終わりは1969年12月号までの9回連載企画でした。
第1回 1969年4月号 「ゲゲゲの星」 原作 火事原(かじはら) 一鬼 まんが 水木のぼるとフジオプロ と徹底しています。(笑)
題名と作者名を見るとおり 当時人気絶頂の 「巨人の星」(1966年~1971年まで週間少年マガジン連載) と 「ゲゲゲの鬼太郎」 を混ぜて、ついて、こね回した快作(?)7ページ。絵柄は各元作とそっくりに仕上げてあり、そしてもちろんギャグマンガ。
第2回 1969年5月号 「バカ式」 つげ義悪(よしわる)
かの名作 つげ義春氏 の 「ネジ式」をパロってらっしゃいます。 (笑笑) 絵柄は背景と一部登場人物がつげ氏風ですが、出てくる人間の多くは赤塚不二夫氏の天才バカポンに出てくる人々。ニャロメやレレレのおじさんも登場します。主人公はバカボンのパパなのだ~~。
第3回 1969年6月号 「フーテン老人日記」 変漫画文学全集
フーテンというからには、やはりCOM誌上で人気のあった 永島 慎二氏風 の絵柄かと思いきや、表紙は東海林 さだお氏風と 永井 豪氏風 での始まり。東海林氏風の絵と内容で5ページも続いてこのまま行くかと思う頃、突然永島氏のフーテン登場。おまけにやっぱりというべきか、永井 豪氏のひげ面おじさんと裸の女の子が乱入して、東海林氏のふんどしおじさんと永島氏のギターをかき鳴らすフーテンの周りをきゃっきゃっと回りだして楽しそう(笑笑笑)
第4回 1969年7月号 「ルパン二世」 今月の題材石森章太郎のファンタジーワールド「ジュン」と銘打たれてます。
表紙の枠外には、つねに〆切に追われてピンチなサルマネ作家 → 長谷邦夫ことモンキー・ピンチがおくる異常作!! (笑)
モンキーパンチ氏風の絵柄で送る、ファンタジーワールド「ジュン」の世界。ジュンの代わりを務めるルパン二世が違和感なくて、主役交代でも 「ジュン」 はやって行けるのでは ? と思わせる問題作。(笑笑笑笑笑)
第5回 1969年8月号「おそろち」 ↑ の写真の号です。梅図氏の 「おろち」のパロですが、梅図氏そっくりの絵柄で押してます。お目目ぱっちりの梅図風女の子達が可愛くて怖い。真夏の夜に贈る、歌手のジュンとネネそっくりの美人姉妹のそれはそれはオソロチい物語。
一部美しい青年役としてバカボンのパパ (!)やニャロメさん、額縁の絵としておばけのQ太郎さん出演。お話も一応ギャグが絡みますが、ちゃんと起承転結でお話になっていて最後はOh もーれつ!!で終わります。(笑笑笑笑笑 もうやめよう)
第6回 1969年9月号 「かかば斬るド」 砂川はげしさ
砂川 しげひさ氏風のギャグマンガタッチと小島 剛夕氏風の劇画タッチが融合する残酷とナンセンスの極地。一人前の漫画絵師になるため小島風激画流漫画道場に残業含み手取り8万両で売り込みをかける砂川風入門者。2刀流で劇画とナンセンスを描き分けるが…。
第7回 1969年10月号 「ゴリラ13シリーズ 寒い国からにげてきたスパイ」 制作スタッフ -構成-ながたにくにを -脚本- ナガタニクニオ -構図 長谷邦夫- -見本 園山俊二/さいとうたかを- -作画 クニオナガターニとフジオプーロ- (笑)
出ました、ゴ○ゴ13シリーズのパロディー。
深夜、ヘリコプターから一人落下傘降下する怪しい人影。待っていた怪しげな一団から一斉射撃で狙われる…。と劇画タッチで重厚に始まる物語とは。主人公園山俊二さんのゴリラなんです~。(前面体中心部に葉っぱ付)主人公ゴリラ13のみ園山調、他はさいとうたかを調。国境紛争の火の手を消すために、さる人物を消す仕事を請け負うゴリラ13の活躍。あれれ、仕事が済んだらゴリラのぬいぐるみを脱ぎ捨てて、あっあなたの本当の姿は
第8回 1969年11月号 「ライク ア エロチック コミック ストリップ」 KUNIO NAGATANI と HIS PARTNERS
当時COM誌上で絶大な人気を誇った宮谷(みやや) 一彦氏の「ライク ア ローリングストーン」 のそっくりまんが。宮谷氏の「ライク ア~」 は自伝的・日記的な意欲作なのだが、今読んでみても思想・女性関係・新人漫画家としての苦悩などが入り混じり、写真を使った新たな表現方法やダリの絵のような心象風景の表現なども試みていて、難解な作品だ。 (この作品の前、9月号で終了)
それをまぁ、長谷氏は宮谷氏調の劇画的なペンタッチとまたまた出ました永井 豪の金時腹巻のぼくちゃんを組み合わせて軽々とパロっていらっしゃる。最期の方、原稿をもらって帰る編集者のセリフ、 「ブリーフよりふんどしの方が反体制的でーす。原稿いただきま~す」 に笑った。編集者とは、何が何でも原稿もらえれば良いのよね。
最終回 「椎名町奇譚」 長谷邦夫とフジオプロ
題名からして 滝田 ゆう氏 の『寺島町奇譚』から取っているパロディーなんですが、この作品の前に滝田 ゆう氏本人が作品を載せているのにまず笑いましたね。この方も1990年にお亡くなりになってますが、もうほんとにCOMに描いていた方々が多く亡くなられてて寂しいことです。
トキワ荘に下駄をカーラコーロと鳴らして入っていく長谷 邦夫氏本人。石森も赤塚もいる室内では「トキワ荘物語」さながらみんなの日常が繰り広げられている。これは筆致は滝田 ゆう氏を借りた 長谷 邦夫 の「トキワ荘物語」なのだ。
次の号から同氏の「盗作・世界名作文学全集」が始まっていますが、ちょっとごった煮過ぎて、私にはこのまんがパロディーシリーズの方が面白いです。
↓ コメント欄に長谷邦夫先生より、コメントを頂きました。ぜひこちらもお読みになってくださいませ~~m(_ _)m
長谷(ながたに) 邦夫氏は、1937年生まれ、「漫画少年」に投稿後石森(当時)章太郎氏の肉筆回覧誌 「墨汁一滴」 の執筆陣に加わるいわゆる「トキワ荘」のメンバーのうちの一人。スタジオゼロを経て、赤塚 不二夫氏のフジオ・プロダクション創立メンバーとなり、赤塚氏と二人三脚の時期が長かったが、現在は大学の講師など単独で仕事をしている。ウィキで調べて始めて知りましたが、1972年、井上陽水『氷の世界』収録曲「桜三月散歩道」の作詞で日本作詞大賞受賞。これ、びっくり!
詳しくは → ウィキ 長谷 邦夫
長谷邦夫パロディー劇場はCOMの誌上で 1969年4月号から始まっていて、終わりは1969年12月号までの9回連載企画でした。
第1回 1969年4月号 「ゲゲゲの星」 原作 火事原(かじはら) 一鬼 まんが 水木のぼるとフジオプロ と徹底しています。(笑)
題名と作者名を見るとおり 当時人気絶頂の 「巨人の星」(1966年~1971年まで週間少年マガジン連載) と 「ゲゲゲの鬼太郎」 を混ぜて、ついて、こね回した快作(?)7ページ。絵柄は各元作とそっくりに仕上げてあり、そしてもちろんギャグマンガ。
第2回 1969年5月号 「バカ式」 つげ義悪(よしわる)
かの名作 つげ義春氏 の 「ネジ式」をパロってらっしゃいます。 (笑笑) 絵柄は背景と一部登場人物がつげ氏風ですが、出てくる人間の多くは赤塚不二夫氏の天才バカポンに出てくる人々。ニャロメやレレレのおじさんも登場します。主人公はバカボンのパパなのだ~~。
第3回 1969年6月号 「フーテン老人日記」 変漫画文学全集
フーテンというからには、やはりCOM誌上で人気のあった 永島 慎二氏風 の絵柄かと思いきや、表紙は東海林 さだお氏風と 永井 豪氏風 での始まり。東海林氏風の絵と内容で5ページも続いてこのまま行くかと思う頃、突然永島氏のフーテン登場。おまけにやっぱりというべきか、永井 豪氏のひげ面おじさんと裸の女の子が乱入して、東海林氏のふんどしおじさんと永島氏のギターをかき鳴らすフーテンの周りをきゃっきゃっと回りだして楽しそう(笑笑笑)
第4回 1969年7月号 「ルパン二世」 今月の題材石森章太郎のファンタジーワールド「ジュン」と銘打たれてます。
表紙の枠外には、つねに〆切に追われてピンチなサルマネ作家 → 長谷邦夫ことモンキー・ピンチがおくる異常作!! (笑)
モンキーパンチ氏風の絵柄で送る、ファンタジーワールド「ジュン」の世界。ジュンの代わりを務めるルパン二世が違和感なくて、主役交代でも 「ジュン」 はやって行けるのでは ? と思わせる問題作。(笑笑笑笑笑)
第5回 1969年8月号「おそろち」 ↑ の写真の号です。梅図氏の 「おろち」のパロですが、梅図氏そっくりの絵柄で押してます。お目目ぱっちりの梅図風女の子達が可愛くて怖い。真夏の夜に贈る、歌手のジュンとネネそっくりの美人姉妹のそれはそれはオソロチい物語。
一部美しい青年役としてバカボンのパパ (!)やニャロメさん、額縁の絵としておばけのQ太郎さん出演。お話も一応ギャグが絡みますが、ちゃんと起承転結でお話になっていて最後はOh もーれつ!!で終わります。(笑笑笑笑笑 もうやめよう)
第6回 1969年9月号 「かかば斬るド」 砂川はげしさ
砂川 しげひさ氏風のギャグマンガタッチと小島 剛夕氏風の劇画タッチが融合する残酷とナンセンスの極地。一人前の漫画絵師になるため小島風激画流漫画道場に残業含み手取り8万両で売り込みをかける砂川風入門者。2刀流で劇画とナンセンスを描き分けるが…。
第7回 1969年10月号 「ゴリラ13シリーズ 寒い国からにげてきたスパイ」 制作スタッフ -構成-ながたにくにを -脚本- ナガタニクニオ -構図 長谷邦夫- -見本 園山俊二/さいとうたかを- -作画 クニオナガターニとフジオプーロ- (笑)
出ました、ゴ○ゴ13シリーズのパロディー。
深夜、ヘリコプターから一人落下傘降下する怪しい人影。待っていた怪しげな一団から一斉射撃で狙われる…。と劇画タッチで重厚に始まる物語とは。主人公園山俊二さんのゴリラなんです~。(前面体中心部に葉っぱ付)主人公ゴリラ13のみ園山調、他はさいとうたかを調。国境紛争の火の手を消すために、さる人物を消す仕事を請け負うゴリラ13の活躍。あれれ、仕事が済んだらゴリラのぬいぐるみを脱ぎ捨てて、あっあなたの本当の姿は
第8回 1969年11月号 「ライク ア エロチック コミック ストリップ」 KUNIO NAGATANI と HIS PARTNERS
当時COM誌上で絶大な人気を誇った宮谷(みやや) 一彦氏の「ライク ア ローリングストーン」 のそっくりまんが。宮谷氏の「ライク ア~」 は自伝的・日記的な意欲作なのだが、今読んでみても思想・女性関係・新人漫画家としての苦悩などが入り混じり、写真を使った新たな表現方法やダリの絵のような心象風景の表現なども試みていて、難解な作品だ。 (この作品の前、9月号で終了)
それをまぁ、長谷氏は宮谷氏調の劇画的なペンタッチとまたまた出ました永井 豪の金時腹巻のぼくちゃんを組み合わせて軽々とパロっていらっしゃる。最期の方、原稿をもらって帰る編集者のセリフ、 「ブリーフよりふんどしの方が反体制的でーす。原稿いただきま~す」 に笑った。編集者とは、何が何でも原稿もらえれば良いのよね。
最終回 「椎名町奇譚」 長谷邦夫とフジオプロ
題名からして 滝田 ゆう氏 の『寺島町奇譚』から取っているパロディーなんですが、この作品の前に滝田 ゆう氏本人が作品を載せているのにまず笑いましたね。この方も1990年にお亡くなりになってますが、もうほんとにCOMに描いていた方々が多く亡くなられてて寂しいことです。
トキワ荘に下駄をカーラコーロと鳴らして入っていく長谷 邦夫氏本人。石森も赤塚もいる室内では「トキワ荘物語」さながらみんなの日常が繰り広げられている。これは筆致は滝田 ゆう氏を借りた 長谷 邦夫 の「トキワ荘物語」なのだ。
次の号から同氏の「盗作・世界名作文学全集」が始まっていますが、ちょっとごった煮過ぎて、私にはこのまんがパロディーシリーズの方が面白いです。
↓ コメント欄に長谷邦夫先生より、コメントを頂きました。ぜひこちらもお読みになってくださいませ~~m(_ _)m