1969年9月号掲載 「おとうと -弟-」
COM初出には珍しく、コミックス 「ポケットの中の季節 2」 に収録もされているようだ。1950年生まれの作者、19歳の大学生時の作品。年代的には24年組さんの一人。
ウィキ → 樹村 みのり
この頃から、COMにアウシュビッツを舞台にしたものや、りぼん (りぼんコミック?) にベトナムものを発表したりと少女漫画家には珍しい社会派的な作品を発表していた人だ。現在も団塊の世代の青春群像を描いた、最新刊 「見送りの後で」 をこの1月に発売したばかりとご活躍。(私は未見)
私などは、「おとうと」 と聞くと 幸田 文 の小説 「おとうと」 を思い出してしまうが、姉が弟を思い出しながら、という点ではきっと作者も 幸田 文 の 「おとうと」 を意識しているのだろう。 幸田氏の作品の方は 先日亡くなられた 市川 崑 監督、岸 恵子主演で映画にもなった。弟役は 川口 浩。
確か、TVか何かで昔 郷 ひろみ もやってなかったっけ?
幸田氏と同じく、樹村氏の 「おとうと」 もまったく創作でないように思える。
あらすじは、子供の時から大学生となった今までの、弟と自分の思い出や性格の違いなどを淡々と思い出し、エッセイ風にまとめているもの。特に大事件があるわけでもない。が、
私にも弟が二人いるので、いちいち頷くところも多く、COMの他の樹村作品より印象が深かった作品だ。私個人としてはこの方の戦争ものよりも当時は好きだった。今見ると戦争ものも又、違って見えるけれども。
幸田 文氏の 「おとうと」 は作者がずいぶん後になってから、結核 (だったか?) で死んでしまった弟の思い出を語る話だったが、樹村氏のは主人公の 姉 が大学生になり、東京に行く電車の中で おとうと のくれた手紙を読むところで終わる。そこには異性の家族としての照れくささとか、家族愛 (らしきもの) が詰まっていて、姉 を笑わせ、そして読者を泣かせてくれるのだ。
兄弟のいる人もそうでない人も、機会があったら読んで見て欲しい佳作。
COM初出には珍しく、コミックス 「ポケットの中の季節 2」 に収録もされているようだ。1950年生まれの作者、19歳の大学生時の作品。年代的には24年組さんの一人。
ウィキ → 樹村 みのり
この頃から、COMにアウシュビッツを舞台にしたものや、りぼん (りぼんコミック?) にベトナムものを発表したりと少女漫画家には珍しい社会派的な作品を発表していた人だ。現在も団塊の世代の青春群像を描いた、最新刊 「見送りの後で」 をこの1月に発売したばかりとご活躍。(私は未見)
私などは、「おとうと」 と聞くと 幸田 文 の小説 「おとうと」 を思い出してしまうが、姉が弟を思い出しながら、という点ではきっと作者も 幸田 文 の 「おとうと」 を意識しているのだろう。 幸田氏の作品の方は 先日亡くなられた 市川 崑 監督、岸 恵子主演で映画にもなった。弟役は 川口 浩。
確か、TVか何かで昔 郷 ひろみ もやってなかったっけ?
幸田氏と同じく、樹村氏の 「おとうと」 もまったく創作でないように思える。
あらすじは、子供の時から大学生となった今までの、弟と自分の思い出や性格の違いなどを淡々と思い出し、エッセイ風にまとめているもの。特に大事件があるわけでもない。が、
私にも弟が二人いるので、いちいち頷くところも多く、COMの他の樹村作品より印象が深かった作品だ。私個人としてはこの方の戦争ものよりも当時は好きだった。今見ると戦争ものも又、違って見えるけれども。
幸田 文氏の 「おとうと」 は作者がずいぶん後になってから、結核 (だったか?) で死んでしまった弟の思い出を語る話だったが、樹村氏のは主人公の 姉 が大学生になり、東京に行く電車の中で おとうと のくれた手紙を読むところで終わる。そこには異性の家族としての照れくささとか、家族愛 (らしきもの) が詰まっていて、姉 を笑わせ、そして読者を泣かせてくれるのだ。
兄弟のいる人もそうでない人も、機会があったら読んで見て欲しい佳作。