猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

市川崑映画祭 5 「炎上」

2016年02月09日 20時13分56秒 | 映画
すみません。今回はポスター写真など有りません。
2015年巣開催された第65回ベルリン国際映画祭フォーラム部門にて上映されました。
それだけ 市川崑監督 の評価が世界的にも定まっているということですね。

原作は三島由紀夫の「金閣寺」。
市川雷蔵が現代劇初出演、これだけでも評判になったと思います。
しかも吃音の少年~青年役で、すっぴんの顔を出しています。
メイクは必ず自分がやり、素顔とメイク後の顔のオーラが別人みたいだったという雷蔵ですが、その後の「ぼんち」(1960)「破戒」(1962)など現代劇の傑作の始まりだと思うと感慨深いです。

     Movie Walkerのページ → 「炎上」

友人役の 仲代達矢 が鬼気迫る演技でした。
大学の足の悪い友人という役でしたが、障害を持つ同志 ? として近づいていく 吾市(雷蔵) に対して終始屈折した態度で接しています。
吾市の父親の友人で、父親亡き後世話になっている寺の住職 田山道詮老師役 で 二代目中村鴈治郎 が又達者な演技で。
その他若さあふれる 中村玉緒、色っぽい 新珠三千代、いつ見てもおばあちゃんの 北林谷栄 などが出ています。

三島由紀夫の「金閣寺」を読んだ方は実際の事件を元にしたストーリーでしょと思うでしょうが、金閣寺(映画では驟閣寺)に火を放った 吾市 の心の闇を丁寧に綴った心理劇ともいえるものです。
暗い映画です。
最後も救いが全くない。
でも吾市のあの顔、この表情が見終わった後も何度も思い出してしまう。
こういう映画はやはり傑作と言えるんでしょうね。

私が見た市川崑映画祭もこれで最後になりました。
見られなかったけれど、ポスターを撮影したものを最後に載せます。

      ↓ 「ど根性物語 銭の踊り」勝新太郎主演(左)、「破戒」(右)



      ↓ 「股旅」市川崑初めてのATG作品(左)、「太平洋ひとりぼっち」石原裕次郎主演(右)








         若尾文子映画祭のように、アンコール上映を切望するトミー。





コメント
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