猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

黒岩重吾 「天の川の太陽」 大海人皇子 壬申の乱

2017年08月09日 10時53分28秒 | 本の感想
     ↑ 中公文庫 上下巻 1982年9月10日初版 写真は上巻1993年の14版、下巻1992年9が20日11版。

以前に読んでた同じく

     黒岩重吾 「紅蓮の女王」 小説 推古女帝

推古女帝がこ即位したのが593年頃の事ですから、80年位 後の話 になるかな。
又、同じくその前に読んでた、

     黒岩重吾 「落日の王子」 蘇我入鹿

が蘇我入鹿30歳頃の話として640年頃、壬申の年が672年だから30年程前の話となる。
計算合っているかな ?

前後の話も載っているので、これらを読むと約100年の 黒岩古代史 が網羅できる。
今又「子麻呂が奔る」という同作者の 推古15年(607年)の頃の話を読んでいるのでもっと詳しくわかるかもしれない。
でも「子麻呂が奔る」は創作が多いミステリーのようなので、古代史ものとは違う感じ。
厩戸の王子出てきますよ~。

さて、歴史上名高い日本史上最大の兄弟げんか(叔父甥けんか?) 壬申の乱 はいかにして起きたか。
権力のある所、常に争い有り。
某国営放送の大河物語のように、民の為に今戦ってその後の平和を末永く???なんて欺瞞に満ちた考え方はしてないの。
流石現代物から作家活動を始め、現代人のエゴイズムにメスを入れてきた 黒岩重吾氏 ならではの古代史小説となっています。
それは「紅蓮の女王」の熱い恋愛ものとも、「落日の王子」の滅びる一族の悲哀とも違って荒々しいこれからの勢いがあるというか。

この本、分厚い上下巻なのでとっても読むのに時間が掛かっていたのですが、他にもこの時代の三韓(1世紀から5世紀にかけての朝鮮半島南部に存在した種族とその地域)と統一新羅についても詳しく語っていて読むのに手間取ってました。"(-""-)"
でも、日本のこの時代には中国と三韓がとっても絡んでくるんですよ。
強国が攻め込んでくるんではないかとの不安から右往左往する日本国の上層部。
それによって政治も変わらざるを得なくなる。
他国の干渉に振り回される、今の日本に似ていなくもない。

壬申の乱に勝ち、さあこれからというところで小説は終わります。
飛鳥浄御原令の制定、藤原京の造営を始め、『日本書紀』と『古事記』の編纂、などは天武天皇が始め、死後に完成した事業なのでそこいら辺の事情など、詳しく優しく小説で読みたくなりました。





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