猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

原作 宮崎 克・漫画 吉本 浩二「ブラック・ジャック創作秘話」 

2012年05月14日 10時29分23秒 | マンガ家名 やらわ行


    ↑ ㈱秋田書店 少年チャンピオン・コミックス 2011.7.20初版 これは6版
         
       
作画の吉本さんの名前でカテゴリーしています。  

宝島社「このマンガがすごい!2012 オトコ編」第一位です。
こういう賞を取った物って案外興味がなかったりする、ひねくれ者の私ですが、これは以前から見たかった。
なんたって「マンガの神様」手塚 治虫先生の創作の秘密が描かれているってんですから。

以前 朝日新聞社刊 の 伴 俊男 + 手塚プロダクション「手塚治虫物語」文庫版 Ⅰ~Ⅱ巻 を読みました。
そちらは手塚先生が生まれた1928年から亡くなられた1989年までの全人生を網羅したもので、大変読み応えが有る伝記(マンガ)作品です。
「ブラック・ジャック創作秘話」 を読んで興味を持った方は、こちらも合わせて読むと面白いですよ。    ↓








それに対しこちらは有る時期 (ブラック・ジャック創作時期前後) を切り取っています。
劇画ブームの到来で、手塚作品の人気は落ち込み、おまけに虫プロなどの経営悪化で窮地にあった手塚先生が「ブラック・ジャック」で再び大ヒットを飛ばすあたりを活写しています。
「手塚治虫物語」の一部分を、より詳しく描いて見せた、というところでしょうか。

どちらかと言うと「手塚治虫~」は先生を何でも努力もなしに出来るスーパースター、絵柄もカッコよく、スリムな先生像を描いてますが、「ブラック・ジャック~」は泥臭いまでにマンガに真剣、貧乏ゆすりしながら細かいところを描くときは眼鏡をはずし、眼で原稿を食らうように描く、ちょっとおなかの出た手塚先生の凄まじいマンガ創作の一端を見ることが出来ます。

あと、周辺のマンガ家達、元アシスタント達、編集者さん達の当時の事情なども詳しく載っていて興味深いです。
名物編集長の「週間少年チャンピオン」編集長 壁村 耐三氏がたびたび出てきます。
この方、藤子不二雄氏の「まんが道」、長谷邦夫氏の「マンガ編集者狂笑録」その他、たくさんのマンガや著作に逸話を残している方です。
他の雑誌の編集者も出てきますが、インパクト一番の人ですね。

元アシスタント(漫画家 三浦みつる)の言葉の中で印象に残っているのは、

「ええ!!徹夜も良くやりましたよ!!ねむくてね……
何度も何度も意識がなくなりそうになる日があってね…
えっ?つらかったって?とんでもないむしろ嬉しかったですよ
だって振り返ると…
そこに手塚治がいるんですよ!!」


それだけでマンガ家の卵さんたちは何でも出来たでしょうとも。

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8 コメント

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トキワ荘ならぬ手塚荘 (カツゴンの母)
2012-05-14 16:25:10
自分が先生と呼ばれ、アシスタントを使う身になって、先生のすごさが改めて分かる。アシスタントの人にもここを乗り越えて独り立ちしてほしいと思うんでしょうね。そんなことも垣間見れるのでしょうか?この一冊は。

作っているお二人もかなりノスタルジーってところでしょうね。

手塚先生が板チョコかじって漫画描いているところはあるのでしょうか?
手塚先生の机の天板の下の引き出しには必ず板チョコが入っていたそうですね。「グレーテルのかまど」でやってました。手塚治虫のチョコレート。
返信する
振りかえると… (満天)
2012-05-15 17:00:04
そこに手塚先生が…

いや~~!!!!
想像するとドキドキします。
先生の原画のお手伝いをしているだけで
きっと幸せだったんだろうな~

私と先生の出会いはジャングル大帝でしたが
本当に好きになったのは「どろろ」と「ブラックジャク」でした
どちらも泥臭い作品ですがとても好きです。

んっ?考えたらどちらも人造人間っぽい(笑)
石の森さんの人造人間キカイダーも…そういえば好きでした。
返信する
教えるのではなく。 (トミー。)
2012-05-15 21:08:43
カツゴンの母様
先生は忙しいのもあったでしょうが、手取り足取り教えるのではなく、自分の背中を見て教えていたところがあった、とこの本にも書かれててました。

>板チョコが入っていたそうですね

へ~、知らなかった。
「ブラック・ジャック~」でも「手塚治虫~」でもそのことは出てきませんでしたね。
先生、他にもいっぱい逸話があるんだろうなぁ。
返信する
ブラック・ジャック (トミー。)
2012-05-15 21:17:23
満天様
振り返ると…
ここんところ、誰だってどきどきするよね。(笑)
永井豪先生が、一緒にアメリカ旅行に行ったとき、原稿を持ってきていた手塚先生の手伝いをしなかった(手塚先生が遠慮した)のを悔やんでいたくだりがあって、そうだよね~。
ベタだけだって無理にでもやりたかったよね~。

私も、リアルで読んでいて好きだったのはやっぱり「ブラック・ジャック」でした。
その前もCOMとか月刊誌「少年」でアトムとか読んでいたけれど、一番思い出があるのは「ブラック・~」ですね。
先生の最高傑作だと思います。
返信する
いいですねぇ~。 (母宮)
2012-05-18 10:45:25
どちらも読んでないので、読みたいです。

「そこに手塚治がいるんですよ!!」
わかるなぁ~。私もベタ塗りたい!

昔、宝塚歌劇団の戦中のドラマに手塚少年が出てきて、宝塚との関係にも興味をそそられました。
「知ってるつもり」とかでもみたかな?
昆虫のスケッチには感動しました。図鑑にして欲しい。。

ジャングル大帝、悟空の大冒険、りぼんの騎士、ブラックジャックはTVみてました。
火の鳥 が好きでした。
読みたいものがいっぱいあるのですが、、。

今年こそ念願の宝塚の『手塚治虫記念館』に行きたい母宮です。
返信する
『手塚治虫記念館』 (トミー。)
2012-05-20 00:00:39
母宮様
私も『手塚治虫記念館』行きたいんですが、なかなか行けません。
やっぱりあそこまで行ったら宝塚も見たいし、京都の「京都国際マンガミュージアム」も行きたいし…なんて思うトミー。
大旅行になってしまうんですよね。(笑)
さくっとひとつだけでも行っちゃえばいいんですけどね~。
返信する
うんうん (母宮)
2012-05-20 23:06:52
是非関西へ!!
「京都国際マンガミュージアム」には、漫画掲示板のオフ会で2回ほど行きましたよ。

ず~っと漫画読んでたかった。。。

私は、今年こそ乙女ロードに行きたいです。。
返信する
マンガミュージアム (トミー。)
2012-05-21 20:49:53
母宮様
>ず~っと漫画読んでたかった。。。
 私も絶対そうなると思うので、ゆっくり時間をとりたいと思うと…。
そこだけで1日は使うよね。(笑)
京都だけでも一泊二日で行ってこようかな~。
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