COM 1968年(昭和43年)9月号 矢代 まさこ 短編シリーズ ④ 「わが名はボケ猫」
頭は、マンガ版 「わが輩は猫である」 的に始まる。くしゃみ先生の飼い猫だったわが輩とは違って、ボケ猫はのら猫だが、近所の人たちに適当にかまわれ、ポリバケツのフタをあけてはゴミをあさって生きている。猫の目から見た人間の暮らしぶりが少し辛らつに綴られるところは 「わが輩は猫である」 にそっくりだ。
町内の面々は、子供の生まれそうな家、捨て犬を拾った若夫婦、駆け出し詩人の若者、愛犬のことしか頭に無いおじいちゃん、などなど様々だ。
これといった事件も無く過ごしていたのに、来月からゴミ収集がポリバケツからパック式になってボケ猫がエサを取れなくなりそうだ。これは大変、対策を考えなくちゃ。
捨て犬からせっかく飼われることになった子犬がジステンパーで死んだ夜、急性肺炎の赤ちゃんは命を拾い、早い朝が始まる…。ボケはいよいよパック収集の波及していない地区への引越しを決意する。人間界はいつもの朝を迎えたかに見えたがその時
地震だ ! こいつはでかいぞ!
屋根から地面に飛び降りて後は飛び跳ねるボケ猫。人間達も醜態を晒している。それを見て、別世界にいるはずの連中と自分と同じ様に感じていることを知って嬉しいと思うボケ猫。このまんまの状態がまだしばらく続けばいい。ボケ猫はみんなと一緒に悲鳴をあげたい ! しかしすぐに揺れは収まり、何事も無かったように日常が始まる。パック入りのゴミを横目に天涯孤独のボケは旅立っていった。
ほのぼのタッチで描きながら、「わが輩は猫である」 と同じく人間界をじっと観察している。でも大きな批判はしていない。淡々と描写して皆さん何か感じてくださればそれで結構、という作者の視線を感じる作品。
頭は、マンガ版 「わが輩は猫である」 的に始まる。くしゃみ先生の飼い猫だったわが輩とは違って、ボケ猫はのら猫だが、近所の人たちに適当にかまわれ、ポリバケツのフタをあけてはゴミをあさって生きている。猫の目から見た人間の暮らしぶりが少し辛らつに綴られるところは 「わが輩は猫である」 にそっくりだ。
町内の面々は、子供の生まれそうな家、捨て犬を拾った若夫婦、駆け出し詩人の若者、愛犬のことしか頭に無いおじいちゃん、などなど様々だ。
これといった事件も無く過ごしていたのに、来月からゴミ収集がポリバケツからパック式になってボケ猫がエサを取れなくなりそうだ。これは大変、対策を考えなくちゃ。
捨て犬からせっかく飼われることになった子犬がジステンパーで死んだ夜、急性肺炎の赤ちゃんは命を拾い、早い朝が始まる…。ボケはいよいよパック収集の波及していない地区への引越しを決意する。人間界はいつもの朝を迎えたかに見えたがその時
地震だ ! こいつはでかいぞ!
屋根から地面に飛び降りて後は飛び跳ねるボケ猫。人間達も醜態を晒している。それを見て、別世界にいるはずの連中と自分と同じ様に感じていることを知って嬉しいと思うボケ猫。このまんまの状態がまだしばらく続けばいい。ボケ猫はみんなと一緒に悲鳴をあげたい ! しかしすぐに揺れは収まり、何事も無かったように日常が始まる。パック入りのゴミを横目に天涯孤独のボケは旅立っていった。
ほのぼのタッチで描きながら、「わが輩は猫である」 と同じく人間界をじっと観察している。でも大きな批判はしていない。淡々と描写して皆さん何か感じてくださればそれで結構、という作者の視線を感じる作品。
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