猫とマンガとゴルフの日々

好きな物を題名に↑ 最近はゴルフとグルメお出かけ主体に。以前は1960年~70代マンガを紹介していました。ネタバレ有り。

COM 1968年6月号付録 「ぐらこん ②」

2007年02月20日 08時52分49秒 | まんがエリートのための雑誌 COM
              珠玉デビュー作品集です。表紙は石森(当時)章太郎先生


 永島 慎二先生の 「愛犬タロ」 と石森(当時)章太郎先生の 「二級天使」 解説は峠 あかね氏 (真崎 守氏) 

 解説によりますと、「愛犬タロ」 は昭和31年雑誌 「少女」 (光文社) 連載、作者19歳の時の作品。これの前に単行本6冊、同誌に読み切り1編を発表した後の雑誌への本格的デビュー作品 となっています。
 これね、今読んでも物語りにぐっと引き込まれます。絵柄はさすがに古いし、なにしろ当時の少女マンガですから、お涙頂戴の箇所もある、しかし叙情が香る好編なのです。少女マンガなのに少年と犬の物語というのも珍しい。私が子供の頃 山田 えいじ氏の 「ペスよおをふれ」 という少女と犬の話はありましたけど。
 
 永島先生のまんがは後に少年マンガ雑誌に連載がいろいろ出た頃、少年マンガの中では結構好きで見かけると読んでいました。COMの中でも見ていましたけど、少年マンガでは少年マンガらしい絵柄で描いていて、器用で上手い絵を描く方だなあと思ってました。そしてなんというか、「柔道一直線」 みたいな男っぽい話でも景色とか時々叙情的な場面があるのです。本当はロマンティックな人なんじゃないかと思ってました。原作者の梶原 一騎氏と後に見解の相違があり、「柔道一直線」 を降りたというのもなんとなくわかるような気がします。
 
 同じく解説によると、石森(当時)章太郎 「二級天使」 は、昭和30年 雑誌 「漫画少年」 (学童社) に連載の作者17歳の時の作品。四コマの投稿マンガののち、発表した始めての長編物にしてデビュー作。連作読みきりで10話ある。一話ごとにテーマやジャンル、手法などを変えて大変実験的な作品です。
 ここでは 
「片目の虎」 ジャングルで片目の虎をカタキとねらう少年の話、

「時間を支配する人間」 古代から今までの時間の流れを見せる石森氏がよく描く、恐竜時代から次第に進化して人間が出てきてという絵巻物、

「雨」 チャップリンのような親父の、心温まる犬の親子との話

 の以上三話が載っています。

 映画の影響が強く、書き込みの多い絵で、ちょっと暗い感じもするのですが、初期手塚作品 「ロストワールド」 風の絵です。しかし、これ17歳の作品ですかー。絵も話も上手すぎてびっくりですよ。

 裏表紙に7名の漫画家および編集者の一言が載っていますが、手塚 治虫先生が 「二級天使」 について 「異常なまでの叙情性への追求は ~ 現在の ジュン にも見出すことができます。」 と褒めているのが印象的。ジュンの初めの頃は今でも語り草になっている 「あれはマンガじゃない」 発言があったと言われていますが。

          お二人とも、栴檀(せんだん)は双葉より芳し ですね。


 最近、古い漫画関係で拙ブログを新規にお訪ねして下さる方が増えて、大変うれしく思っています。作者順、あいうえお順にまとめていなくて見づらいとは思いますが、左のカテゴリのマンガをチェックすると漫画関係だけ出てきますので、60年代の石森作品や水野作品、またはCOMの書影など、写真のみでもごらんになっていってくださいませ。
コメント (6)
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