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金融が乗っ取る世界経済(ロナルド・ドーア):真っ当な論旨、金融の内容と目標と問う

2011-12-18 06:59:45 | マクロ経済

日本に詳しい老碩学、副題に「21世紀の憂鬱」とある。最近の金融の問題を取りまとめ、分析し、意見がある。<o:p></o:p>

 論旨には、金融や社会の良心や責任、倫理の必要性、金融(カネ作り)よりモノ作りの大切さ、経済学の「前提」の誤謬、イノベーションは企業が主体、成果主義の部分と全体最適化、金融ボーナスの問題、COD,CDSの格付け会社問題、金融とい企業の経営権取得・売買 などが揚げられている。<o:p></o:p>

 特に目新しくはないが、まとまっている。<o:p></o:p>

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今後は、米中の冷戦が懸念され、アメリカと日本の関係や西太平洋での覇権がどうなるかが経済的、政治的、軍事的な課題とまとめられている。そのとき、日本はどうあるべきか。<o:p></o:p>

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なお金融サイクルのまとめとして下記がある:<o:p></o:p>

 順調な成長→期待成長→銀行のレバレッジ上昇と信用の拡大→資産価値の上昇→投機的投資→資産価値上昇の加速とバブルの認識→賢明な一部の資産売却→資産売りの進行→パニック→損失と成長低下とまとめられている。<o:p></o:p>

当たり前だが、この繰り返しでマーケット崩壊は、エネルギー資源のオイル・ショック、バブル崩壊、証券化崩壊(リーマン・ショック)、連合型調整問題(EU EUR問題)など新型がある。<o:p></o:p>

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以下余談だが:<o:p></o:p>

不動産は、金利や好景気に関連して、資産価値が先行して上がり、賃料は遅行する。不動産低迷なら、金利低下、Cap Rate 高止まりにある。ここで金利の裁定が起こり、取引価格は「見込み」で上がり(Cap Rate 低下)、その後に収益価格が賃料の値上がりとともに「実態」として追従する。その後に、Cap Rateは下がり、景気高揚で金利は上がるとともに裁定は低くなり、キャピタル・ゲイン期待となる。要はバブル期待だ。その後は、売却の進行から、資産価値減価、つれて賃料も低下し、金利も下がるというサイクルになる、<o:p></o:p>

上がりばなに(売る人が多いとき)買うとお得だが、下がるとき(Cap Rate 上昇)はうかうかしているともっと下る(買う人がいない)状況になる。しかも景気動向のみならず、供給量(好景気に数年遅行して竣工がある)との関わりもあるから、波の読み方が難しい。<o:p></o:p>

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旧来の日本が好きな筆者の観点は明確で、まとまりが良い読み物です。<o:p></o:p>

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コメント
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