大統領と言えば、私がすぐ思い出すのは、この方。
ドイツ連邦共和国第6代の
リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー大統領です。ドイツ史上、最も人望高く国民から敬愛された大統領だと思います。
以前に友達から聞いた話。
この友達の友達がバカンス中、海岸で、相手の女性(多分奥さん)を中世の騎士のようにエスコートしている男性を見て、よくよく見れば何とヴァイツゼッカー大統領だったとのこと。友達も私も、あの大統領ならさもありなんと納得したものです。
本当に人望のある大統領とか首相は、上下左右に関係なく幅広い国民層から評価されています。イタリアの
サンドロ・ペルティーニ大統領も広く敬愛された大統領です。
大統領というと多くの場合は、国の代表者として国賓を迎え、あるいは諸外国を公式訪問するほかは、その国のシンボル=象徴のような存在です。
大統領の権限が大きい政治制度もあり、その典型例であり世界的影響力をもつのが
アメリカの大統領です。
大統領をいかに選出するかは国によって様々ですが、今回のアメリカ大統領予備選挙(つまり本選挙)では、クリントン候補の得票数の方が多かったのに、トランプ候補が当選するという奇妙な事態も見られます。
ところで、オーストリアでは未だに大統領選挙中です
4月24日の最初の選挙で過半数を獲得する候補者がなく、上位2人の候補者について5月22日に決選投票が行われ、
緑の党出身の候補者が僅差で大統領に選ばれました。しかし、落選した右翼ポピュリズム党がクレームをつけ、憲法裁判所の指示により10月に再投票となったものの、郵送投票に使われる封筒に不備が発見され、更に延期となって、次の投票日は12月4日です。国民としては大統領選挙疲れの傾向があります。
この間、アメリカ優先・よそのことは構わないというトランプ大統領が出現したり、ロシア、ハンガリー、ポーランド、トルコ、フィリッピンなど独裁的な大統領や政権担当者が居並んで、オーストリアの長引く大統領選挙もヨーロッパ各国の注目を浴びています。
11月28日付けNZZ(新チューリヒ新聞)には大きく2ページにわたる記事が載りました。
左側ページが1度は大統領に選ばれた
ファン・デア・ベレン候補、右ページがポピュリスト党の
ホーファー候補です。
そして左下の地図から分かるように、都市部(薄緑)はファン・デア・ベレン支持、農村部(青)はホーファー支持です。
こんな風に事態がこんがらかってくると、ドイツ式、スイス式の大統領選出がスムーズでいいなと思います。
ドイツでは人気の高かった
ガウク大統領の任期が終わるのを前に、既に現在の外相
シュタインマイヤーが、次期大統領となることが確実です。スイス式なら、もっと簡単です。
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