前回、がたがた揺れるピンボケ動画では見にくかった階段細部

同じピンボケですが動かない写真でご覧ください

シュトルーデルホーフガッセの始まり

ガッセは「小路」ですが、昔は小路だったところが発展して「太い」ガッセもあります
この通りには、彫刻家で美術アカデミー創設者ペーター・シュトルーデル(1660~1714)の屋敷があったため、シュトルーデルホーフガッセと名付けられました。
ホーフには色々な意味がありますが、基本的には「建物や敷地がひと纏まりになったもの」ということです。
階段へ向かって進みます

突き当たりに階段があります

階段の上(階段は1910年完成)

ちょっと下ります

下を見たところ

突き当たりの道路はリヒテンシュタインシュトラーセ(シュトラーセはストリート)
(リヒテンシュタイン侯爵の宮殿があり、美術館として一般公開されています)
階段の装飾

上下両端に階段があるほかは、なだらかな坂道で、途中4ヵ所にベンチ

ちょっと見にくいですが、この突き当たりにもベンチがあります
ちょこっと紅葉も

お魚の口から流れ出る水は・・・

下の泉水でオジサン(多分水の精)の口から出てきます
実用的で、しかも美しく散歩コースに最適

唯一の問題点は・・・この高度差を飛び降りたい(または、その逆)というくらい急いでいる人は、ちょっと苛々するかも・・・








この階段を深く愛した作家ハイミトー・フォン・ドーデラーは、階段の名をタイトルとする長編小説を書きました。
オーストリア文学史上の重要作品で、何年も前に本は買ってあるけど、まだ読んでません

でも、概要は独語ウィキにあります。
登場人物の重要な出会いの場が、この階段なのです。
物語の時代設定は1923~1925年で、1910年と1911年の出来事が回想されます。
両時間帯の間は僅か12~15年ですが、当時のオーストリア人にとっては正に「隔世の感」だったことでしょう。
第一次大戦(1914~1918)前には大帝国だったオーストリアが王朝崩壊、領内複数民族の独立によって、アルプス地方の小さな共和国に縮小したからです。
平たく言えば、小説の心は「階段は残った」

Wikipedia: Strudelhofstiege(英語)
Wikipedia: Heimito von Doderer(英語)
やっぱり季節は秋がよく似合う
大文字山の憩い(151)の階段とえらい違い
先日大文字山から下る時階段近くを整備したあとがありました。
日が暮れてよくわからなかったけれどなかなか良い感じでした。
ベンチはありませんが大きな木の切り株が用意してあります
階段の雪景色も綺麗ですが、ちょっと滑りやすいかも
いこいの階段は、山の急斜面にあるので
街中の階段とは、当然「仕様」が異なると思います
木の切り株が置いてあるってのも、ステキですね