脳出血の男性、搬送先が見つからず 8カ所目でようやく入院できたが死亡 コロナ禍の沖縄
脳出血の男性、搬送先が見つからず 8カ所目でようやく入院できたが死亡 コロナ禍の沖縄
新型コロナウイルスの感染拡大で、主な重点医療機関の院長らが23日、沖縄県南風原町の県医師会館で会見を開き、感染対策の協力を県民に呼びかけた。病床が逼迫(ひっぱく)し、入院調整が困難な状況が続いていると説明。脳出血した中部地区の60代男性の搬送先が見つからず、ようやく入院できた8件目の病院で死亡する事態が発生したと明かした。
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主な重点医療機関では救急医療も担う。感染拡大で入院調整が困難となり、搬送先の問い合わせが4回以上になったケースが8月は週50件を超えた。県医師会常任理事で琉大病院の大屋祐輔病院長は「救える命が救えなくなってきており、これは医療崩壊だ」と訴えた。 コロナ感染などで医療従事者の欠勤が相次ぎ、病床の確保も困難な状況が続いている。県立南部医療センター・こども医療センターでは集中治療室(ICU)を十分に稼働できず、小児用の集中治療室(PICU)で70代と40代の重症者の治療に当たったという。 これらを踏まえ、院長らは救急医療の適正利用を求め、重症化予防のためのワクチン接種や感染対策の徹底を呼びかけた。 (社会部・平良孝陽)