http://www.geocities.jp/obobsyco/others.htm
MUTLULUK (2007) : 至上の掟 <トルコ/ギリシャ>
監督:アブドッラー・オウズ
あるトルコの貧しい村で、17歳の少女メリエムはレイプされる。 メリエムは犯人の名前を言わない。 しかし、レイプであれなんであれ、この村では女性は結婚前にセックスをしたら一族の恥だということで、死を選ばなければいけない酷い因習がある。 メリエムは首吊り縄を投げつけられるが自殺できない。 そこで兵役から村に戻ってきた青年セマルが、メリエムをイスタンブールに連れて行き暗殺してこいと命じられる。 イスタンブールに行ったものの、セマルはメリエムを殺すことが出来ない。 殺さないと村には帰れない。 そこでセマルはメリエムを連れてさまようことになる。
主人公の少女の純粋さに心が洗われるようだった。 少女も苦しんでいるけど、それ以上に命令を執行できない青年の方が苦しみは大きくて、そんなふたりが、目を見張るような美しいエーゲ海を航海するのはロマンチックであるのと同時に残酷で、近代社会と昔からの因習に囚われる古い世界が混ざり合う、不思議な映画だった。
とにかく健気なメリエムがとても愛らしいの。 でもただ純粋なだけはなくて、気丈なところもある。 継母に、あんたは自殺しな、って首吊り縄を投げつけられた時、言いつけ通りに首を釣ろうとするんだけど、窓越に継母が様子を覗いているのを観て、自殺なんてしてたまるかって考え直すのね。 セマルにイスタンブールで拳銃を向けられたときは、「わかった、私は死ぬわ、でも父に、私は何も悪いことをしてないって伝えて、それから怖いから目隠しをさせて。」なんて目をウルウルさせて言われたら、セマルは殺せるわけ無いよな。
最後に村の衆がメリエムを殺しに追ってくるところはスリル満点。 『闇の列車、光の旅』と雰囲気が似ていて、あの映画みたいに、この逃避行も悲劇に終わりそうなんだもの。 お願いメリエム死なないで~、って心から叫んだわ。 さてこのふたりの最後は!?
この様な映画を見せられたら、遅れた社会の因習の残酷さが見えてきます。
“この様な社会なら、潰しても良いかな”と、“過激派のネオコンが
考えても不思議ではない”と考える人も出そうです。
MUTLULUK (2007) : 至上の掟 <トルコ/ギリシャ>
監督:アブドッラー・オウズ
あるトルコの貧しい村で、17歳の少女メリエムはレイプされる。 メリエムは犯人の名前を言わない。 しかし、レイプであれなんであれ、この村では女性は結婚前にセックスをしたら一族の恥だということで、死を選ばなければいけない酷い因習がある。 メリエムは首吊り縄を投げつけられるが自殺できない。 そこで兵役から村に戻ってきた青年セマルが、メリエムをイスタンブールに連れて行き暗殺してこいと命じられる。 イスタンブールに行ったものの、セマルはメリエムを殺すことが出来ない。 殺さないと村には帰れない。 そこでセマルはメリエムを連れてさまようことになる。
主人公の少女の純粋さに心が洗われるようだった。 少女も苦しんでいるけど、それ以上に命令を執行できない青年の方が苦しみは大きくて、そんなふたりが、目を見張るような美しいエーゲ海を航海するのはロマンチックであるのと同時に残酷で、近代社会と昔からの因習に囚われる古い世界が混ざり合う、不思議な映画だった。
とにかく健気なメリエムがとても愛らしいの。 でもただ純粋なだけはなくて、気丈なところもある。 継母に、あんたは自殺しな、って首吊り縄を投げつけられた時、言いつけ通りに首を釣ろうとするんだけど、窓越に継母が様子を覗いているのを観て、自殺なんてしてたまるかって考え直すのね。 セマルにイスタンブールで拳銃を向けられたときは、「わかった、私は死ぬわ、でも父に、私は何も悪いことをしてないって伝えて、それから怖いから目隠しをさせて。」なんて目をウルウルさせて言われたら、セマルは殺せるわけ無いよな。
最後に村の衆がメリエムを殺しに追ってくるところはスリル満点。 『闇の列車、光の旅』と雰囲気が似ていて、あの映画みたいに、この逃避行も悲劇に終わりそうなんだもの。 お願いメリエム死なないで~、って心から叫んだわ。 さてこのふたりの最後は!?
この様な映画を見せられたら、遅れた社会の因習の残酷さが見えてきます。
“この様な社会なら、潰しても良いかな”と、“過激派のネオコンが
考えても不思議ではない”と考える人も出そうです。