それでも未来は変えられぬ
USAは分裂し
少なくとも半分は赤くなる
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///GHQ焚書アーカイブス運営事務局からのお知らせ///
【緊急Zoomインタビュー】
米国大統領選の予想を “完全的中” させた
日米近現代史研究家 渡辺惣樹氏への
緊急インタビューの様子をお届け…!
Q.
渡辺先生、今回の大統領選挙、
最悪のシナリオは何ですか?
A.
私は「第三次世界大戦」は
起きにくいと考えています。
ただ、戦争よりも恐ろしい未来を
危惧しています。
それは......
↓
詳しくはこちら
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
筑波大学非常勤講師
伊勢雅臣
「アメリカの建国は奴隷制を維持するため」
などのプロパガンダで、人種対立を燃え上がらせる内部分断戦術。
※このメルマガは2024年09月29日に配信されたものです。
■1.不法入国者の不法投票に期待するアメリカの民主党
大統領選の真っ最中のアメリカ。
そんな中で、産経新聞のワシントン
駐在客員特派員の古森義久氏が、
驚くべき記事を書いていました。
バイデン政権下で1100万人も不法移民が入国し、
民主党は彼らが不法投票で民主党に投票することを
期待しているというのです。[古森]
アメリカ憲法は国籍保有者のみが
投票できると決めています。
しかし、実際の有権者登録は誰でもとれる
運転免許と一体となり、国籍も自己申告の場合が多く、
投票の場でも国籍の証明は求められない、と言います。
となれば、自己申告で「米国籍を持っている」
と詐(いつわ)れば、不法移民でも投票できます。
共和党は有権者登録の厳格化や投票時に
国籍を証する書類の提示を求める
「米国投票資格保護」(SAVE)法案を
下院で7月に可決させました。
民主党は有権者の国籍証明義務は
選挙の自由の抑圧になるなどと主張し、
法案の上院審議に反対して成立を阻止しています。
共和党側は「民主党はバイデン政権下で入国してきた
不法移民に投票させる意図で法案に反対するのだ」
と反論しているそうです。
ちょうど日本で左翼政党が外国人参政権を
推し進めようとしているのも、
同じ構図かと思えてしまいます。
ただ、日本の場合は戸籍がしっかりしていますから、
不法投票まで心配する必要はありませんが、
アメリカの混乱はここまで行っているようです。
■2.1100万人もの不法移民を招き入れたバイデン政権の魂胆
古森氏と同じ主張を、全米で120万部も売れたベストセラー
『American Marxism アメリカを蝕む共産主義の正体』
[レヴィン]も述べています。
__________
批判的人種理論(JOG注: 後述)を受け入れていたバイデンは、
大統領に就任するとすぐに、移民政策を一方的に変更する
五つの大統領行政命令に署名した。
いずれも、「ラテン系(JOG注: 中南米)批判的人種理論」運動に
賛同し、それを支援する内容である。
これによりバイデンは、国境の壁の建設を中止させ
(のちにほんの21キロメートルばかり建設を続けた)、
トランプ政権の移民取り締まり政策を終わらせ、
100日間の本国送還猶予措置を設け、
法的地位のない個人への恩赦を提案した。
そのうえ、トランプ政権がメキシコなどの中米諸国から
合意をとりつけていた、アメリカ=メキシコ国境にやって来た
亡命希望者を三つの中米諸国のいずれかに送還する協定を破棄した。
[レヴィン、p156]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
入国管理当局は、バイデンの政権発足前から、
そんな計画を実施すれば移民の波が押し寄せて、
国境や移民制度が対処不能になると警告していましたが、
バイデンはそれを無視しました。
アメリカの世論調査会社ギャロップ社は、
中南米に住む4億5千万人の成人を対象にした調査で、
推定4200万人が「可能であれば、アメリカに移住したい」
と考えている、という推計を発表しました。
バイデン政権が迎え入れた1100万人は、
その一部に過ぎません。
まさに「狂気の沙汰」ですが、
その「狂気」をもたらしたのが、
「批判的人種理論」です。
■3.先住民を駆逐し、アフリカ人を奴隷化してきたアメリカ
「批判的人種理論」とは、日本で言えば
「自虐史観」です。
その代表的な運動が、「ニューヨーク・タイムズ」紙が
進めている「1619年プロジェクト」です。
今まで、アメリカの国家の始まりは
信教の自由を求めてやってきたメイフラワー号が
ニューイングランドに到着した1620年だったと教えられ、
それがアメリカ社会の常識となっていました。
「ニューヨーク・タイムズ」紙は、
それを1619年に変えようというのです。
この年、イギリスがアメリカで最初に建設した
植民地バージニア州のジェームズ・タウンに、
初めてアフリカから黒人奴隷がもたらされました。
アメリカは当初から、奴隷制という悪に基づいた
国家だったというのです。
このプロジェクトのために制作されたカリキュラムが、
3500以上の学校に配布されています。
そして、このプロジェクトのために制作された動画では、
考案者であるニコール・ハンナ=ジョーンズがこう述べます。
__________
この国が、世界にかつてなかったほど自由に奉仕する
民主国家だということを受け入れるためには、
当然のことながら、すでにこの地に住んでいた
先住民の存在を忘れ、(中略)奴隷化されたアフリカ人を
無視することが必要になります。[レヴィン、p132]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
日本が軍国主義で世界を侵略しようとした
などという日本の自虐史観は、事実に基づいて
批判しうる余地が大きいのですが、
アメリカの場合は先住民を駆逐し、
アフリカから奴隷を連れてきた事実は
否定のしようがないので、こちらの方がはるかに深刻です。
前節で、「ラテン系批判的人種理論」運動への
言及がありましたが、
これもテキサスからネバダ、ユタ、アリゾナ、
ニューメキシコ、ワイオミング、コロラドから
カリフォルニアまでの広大な地域は、
かつてメキシコ領だったのを、
1846年から48年までの米墨戦争で奪ったものです。
ですから、これらの地域にラテン系人種、
すなわちメキシコ人が入っても、
もともとアメリカに奪われた故地に戻っただけと
言われれば、「不法入国」とは言えなくなってしまいます。
こうして「批判的人種理論」はアメリカという国が
いかに白人以外の人種を虐げてきたか、をとことん攻撃するのです。
■4.アメリカの独立は「奴隷制を存続させるため」?
こうした批判的人種理論は、
「建国の父たちがイギリスからの独立を宣言したのは
『奴隷制を存続させるため』だった」とまで主張します。
専門の歴史学者たちは、こうした荒唐無稽な
主張を声高に批判しています。
__________
・・・アメリカ独立革命は奴隷制を支持する
出来事だったなどという見解は、
かつては、漫画のような歴史理論を
信奉する陰謀論好きの活動家の間で
共有されているだけだった。
このプロジェクトは、そのような見方を
教室へと持ち込み、至るところで真面目な歴史学者を
驚愕させることになった。[レヴィン、p133]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
その学問的方法論においても、批判的人種理論は、
歴史を装った「似非学問」だと批判されています。
__________
歴史に関する論争を解決する際には一般的に、
歴史学者が学術論文に、もっとも信頼できる
と思われる論拠や出典を提示する。
そうすれば両陣営が、それぞれその証拠を検証し、
真実を導き出すことができる。
《一六一九年プロジェクト》には、
このような透明性が欠けている。
(中略)ハンナ=ジョーンズは、
きわめて無謀な主張を展開しておきながら、
出典をまったく挙げていない。
[ニューヨーク・タイムズ・]マガジン誌に
[当初]掲載された論文には、
脚注や参考文献など、学術的な立脚点が
一切示されていない。[レヴィン、p133]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
この点でも、何の根拠も挙げずに
「日本軍国主義は世界征服を目指した」と
主張する類いのプロパガンダ的自虐史観と同類です。
■5.「人民を対立するグループに分割する」内部分断戦術
それにしても、こういう批判理論を展開する人々は
何を目指しているのでしょうか?
レヴァンは、こう指摘します。
__________
このように[扇動家やプロパガンダ機関は]、
『人民』全体の幸福を説きつつ、人民を対立する
グループに分割することで、
既存の社会や支配を打倒して新たな社会や支配を
打ち立てるために必要な方向へ人民を扇動できるようにしている。[レヴァン、p22]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ここでは「人民を対立するグループに分割」
という点がキーポイントです。
たとえば、「アメリカは人々の自由と平等を追求するために、
イギリス帝国主義から独立した」という理想の下でなら、
白人も黒人もメキシコ人も、自分たちの自由と平等を
押し広げるために、一致協力しよう、という姿勢を生み出します。
それが逆に「アメリカは奴隷制を存続させるために独立した」
などというプロパガンダを信じてしまうと、
黒人はそんな国家のために尽くすことは
人種差別を広げることだとして、
現在の体制への協力を拒みます。
それどころか「ブラック・ライヴス・マター」
(BLM、「黒人の命は大切」)のように、暴動を起こしたり、
警官を襲撃することも許されると主張するようになります。
それに対して、当然、白人や良識ある黒人たちは反発します。
こうして批判理論は「人民を対立するグループに分割する」のです。
この「内部分断戦術」は、マルクス主義が生み出したものです。
マルクス主義は、社会を資本家階級と労働者階級に分断し、
資本家の労働者搾取が歴史の真実だと主張しました。
これを白人と黒人と置き換えれば、
批判理論はマルクス主義のアメリカ版である、
というレヴィンの主張が頷けます。
■6.憎悪と分断で権力を握っても
前節の引用の続く部分、「既存の社会や支配を打倒して
新たな社会や支配を打ち立てる」が、
マルクス主義や批判理論を唱える人々の狙いである、
とレヴィンは指摘しています。
__________
革命により既存の体制や国家の打倒に成功したあとに
生まれるという楽園は、中央集権的な警察国家の域を出ない。
そのなかでは、個人は事実上消耗品であり、
「大衆」はその国家を管理・運営する
政党や個人の目的を果たすよう強いられる。
そのような国家の具体例が、
中国や北朝鮮、ベネズエラ、キューバなどである。
[レヴィン、p30]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
歴史上、マルクス主義者たちが、いくつかの国家で、
資本家階級に対する労働者階級の憎しみを燃え上がらせて
革命に成功し、権力を握りました。
その最初の成功例がソ連でしたが、それはまさしく
「中央集権的な警察国家」そのものでした。
そこでは、自分たちの権力保持に
反対する人々を大量に殺害しました。
フランスの研究者ステファヌ・クルトワ他による
『共産主義黒書』によれば20世紀の共産主義の犠牲者は
以下のように、1億人近くに達します。
__________
ソ連:2000万人、
中国:6500万人[b,c]、
ヴェトナム:100万人、
北朝鮮:200万人、
カンボジア:100万人、
東欧:100万人、
ラテンアメリカ:15万人、
アフリカ:170万人、
アフガニスタン:150万人、
その他政権についてない共産党:1万人
[JOG(1173)]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
内部分断戦術の憎悪と敵対の暴力によって
現体制を打倒して権力を握った政権は、
引き続き内部の敵に対する暴力によって
権力を維持していかなければならないのです。
労働者階級の解放を謳って権力を握った
マルクス主義者たちが、
労働者階級の幸福を実現できなかったように、
黒人差別の解消を謳うBLMが権力を握っても、
白人との人種対立を激化するアプローチでは
憎悪と敵対は止まず、黒人の幸福すら実現できないでしょう。
■7.内部分断戦術に欠けているもの
私は合計7年、アメリカに住んで、
アメリカの歴史も多少は囓りました。
アメリカの人種問題は根が深いのですが、
人類の歴史の中でアメリカほど人種問題に
真剣に悩み取り組んだ国も少ないと思います。
その努力をBLMは認めません。
人種問題に火をつけて、人種間の憎しみと敵意を
燃え上がらせて革命の炎にしようという彼らにとっては、
平和的な手段でこの問題を解決されたら困るからです。
黒人解放に大きな足跡を残したのは、
マーチン・ルーサー・キング牧師の
「私には夢がある」演説に始まる公民権運動でした。
そこには、こんな一節があります。
__________
私には夢がある。いつの日かジョージアの赤土の丘で、
昔は奴線だった人の子孫と昔は奴款の主人だった人の子孫が、
友愛のテーブルを囲んでー緒に座ることを、私は夢見る。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
私の敬愛するレーガン大統領は、
キング牧師の誕生日を国の祝日とし、
こう語っています。
__________
マーティン・ルーサー・キング・ジュニアは、
アメリカへの信頼と人類の未来への信念を語っていた。
彼は現状を否定し、あるべき姿を求めた。
その夢のために、人生を捧げた。
彼の夢の多くは現実となったが、
いまだ達成すべき多くの夢も残っている。
キング博士の信念は我々全員に進むべき道を示す
希望の灯火となっている。
我々は、アメリカのあるべき姿に向かって、
ともに努力を続けるのである。[拙訳、Reagan]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
キング牧師の前向きな夢は、
白人も黒人も含めた米国民の心に
「希望の灯火」を点じて、人種平等に向けて
「ともに努力を続け」させたのです。
これに比べれば、BLMなどの憎悪と対立を煽る
マルクス主義流内部分断戦術の邪悪な本質がよく分かります。
キング牧師のアプローチは国民全体が
「希望の燈火」を掲げて、力と知恵を集めて、
より幸福な共同体を作る正道でしたが、
現代アメリカの「批判的人種理論」は
マルクス主義流の内部分断戦術で憎悪と敵対を煽り、
共同体の支柱である国民同胞感を撃ち砕き、
社会全体を不幸にしてしまいます。
自由世界のリーダーだったアメリカが、
マルクス主義流の内部分断戦術に冒されて、
共同体としての希望と力を失っている現状は、
国際社会全体にとって、極めて危険なことです。
(文責 伊勢雅臣)
■リンク■
・テーママガジン「日本人の良識で文化マルクス主義から社会と家庭を守ろう」
https://note.com/jog_jp/m/m5bc097bd75f9
・No.1173 なぜ共産党は大量虐殺をおこなうのか
共産主義の犠牲者は約1憶人。第1次、2次大戦死者合計の2倍近くと、20世紀の人類最大の災厄だった。
http://jog-memo.seesaa.net/article/202007article_2.html
■参考■(お勧め度、★★★★:必読~★:専門家向け)
→アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。
・Reagan、Ronald,"Speaking My Mind: Selected Speeches"★★,Simon & Schuster
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/0743271114/japanontheg01-22/
・古森義久「米大統領選に影落とす不法入国者の投票問題」、産経新聞R060922
https://www.sankei.com/article/20240922-RDFAKGLXU5OBDGSZWDHFORPT6I/
・レヴィン、マーク『『American Marxism アメリカを蝕む共産主義の正体』★★、徳間書店、R05
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4198656762/japanontheg01-22/
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
<著者紹介>
伊勢 雅臣
1953年東京生まれ。
東京工業大学 社会工学科卒。
日本の大手メーカーに就職後、
社内留学制度により、
アメリカのカリフォルニア大学
バークレー校に留学。
工学修士、経営学修士(MBA)
経営学博士(Ph.D.)を取得。
生産技術部長、事業本部長、
常務執行役員などを歴任。
2010年よりイタリア現地法人社長。
2014年よりアメリカ現地法人社長を歴任。
イタリアでは約6千人、
アメリカでは約2.5万人の外国人を束ね、
過去最高利益を達成するなど
成果を上げてきた。
これまでの海外滞在はアメリカ7年、
ヨーロッパ4年の合計11年。
駐在・出張・観光で訪問した国は
5大陸36カ国以上に上る。
1997年9月より、
社業の傍ら独自に日本の歴史・文化を研究。
毎週1回・原稿用紙約15枚の執筆を27年間。
正月休み以外は毎週続け、
発行したメールマガジンは1390号を超える。
筑波大学等でも教鞭をとり、日本の未来を担う
「国際派日本人」の育成に尽力している。
「国際派日本人」養成講座 メールマガジンの登録はこちら:
https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=172776
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
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