フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

9月10日(月) 雨のち曇り

2007-09-11 00:56:52 | Weblog
  地元蒲田の映画館で木村拓哉主演の映画『HERO』を観た。13:00からの回で観たのだが、観客はわずかに十数人。平日とはいえ、けっこう話題になっている(宣伝されている)映画の封切り三日目としてはなんともさびしいことであるが、これが場末の映画館の現実なのである。『HERO』のせいじゃなくて、蒲田のせいなのだ。すまない(と、私が謝るすじのものではないが)。でも、個人的には、日比谷とか有楽町マリオンの中の映画館ではなくて、こういう場末の映画館でちょっとうらぶれた気持ち、ささくれだった気持ち、あるいはアウトローな気持ちで昼間から映画を観るのは嫌いではない。恋人たちがデートで行くなら洒落た映画館の方がいいと思うが、わざわざ電車に乗らなくても行ける地元の映画館というものはいまや貴重な存在であり、応援するつもりで年に何度かは利用する。11月封切りの『続・ALWAYS三丁目の夕日』も、前作同様、ここで観るつもりだ。
  さて、『HERO』だが、気楽に楽しんで観られた。星印は3.5(満点は5)。わざわざ韓国まで出かけていって容疑者の車の行方を追跡したわりにはそれが裁判の中で証拠として決定的なものではなかったり、九利生と対決する蒲生弁護士は「刑事事件無罪獲得数日本一」といううたい文句のわりに大したことがなかったり、九利生の法廷での語りは感動的ではあったが陪審員の心証に訴えるアメリカ型の裁判ではないのだから不自然だったり、東京地検の検事の定年は65歳のはずだが東京地検次席検事を演じる小玉清は今年で73歳でさすがに老けて見え、老けたといえば松たか子も大塚寧寧もそうでとか、まあ、つっこみどころはいろいろあるわけだが、でもね、あの同じメンバーが再び顔をそろえてわれわれを楽しませてくれる作品が仕上がったというのが嬉しいではないですか。とくにあの「衝撃のラスト」。あのラストシーンを観られただけでも映画館に足を運んだかいがあったというものだ。もし私が監督だったら(あるいはシナリオ作家だったら)、雨宮に一度会いたかったと病床で語った滝田のところへ、九利生が雨宮を連れて会いにいくというシーンを、あの「衝撃のラスト」の後、スタッフロールの流れるところでいいから、加えたかった。そうだったら、星0.5個上乗せしたであろう。
  映画館を出て、街をぶらぶら歩いていて偶然見つけた「信州味噌ラーメン本舗 とむちゃん」という店で、味噌ラーメンを食べる。腹ペコで、その上、映画館の冷房で体が冷えていたこともあり、肉野菜炒め(もやし、木耳、ニラ、キャベツ、豚肉)を上に載せた熱々の味噌ラーメンがとても旨かった。ラーメンにもいろいろあるが、一番体が温まるのは味噌ラーメンではなかろうか。これからそういう季節になっていく。・・・もしかして風邪を引いたかな。ここ数日、冷房の効きすぎる場所に長くいたせいかもしれない。夜、医者からもらって使わずに残っていた抗生剤と消炎剤と鎮痛剤を飲む(よい子はマネしてはいけません)。訳あって明日一日で直さなくてはならない。