フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

11月9日(月) 晴れ

2009-11-10 10:32:31 | Weblog

  8時、起床。食パンが切れていたので、コンビニ(セブンイレブン)まで買いに行く。つい最近、このコンビニはそれまでの場所から30メートルほど移動した。その結果、私の家から80メートルほどだったのが、60メートルほどになった。ますます近い。妹の記憶によると、妹が高校生のとき(1973-75年)にこのコンビニは開店したというから、セブンイレブン1号店である江東区豊洲店が開店したのが1974年5月15日であったことを考えると、最初期の店舗の1つであることになる。宇宙誕生の直後に生まれた星たちの1つみたいなものだ。
  午前中は授業の準備。午後、外出。「テラス・ドルチェ」で昼食(たらこのスパゲッティーと珈琲)をとりながら読書。寺出道雄『知の前衛たち 近代日本におけるマルクス主義の衝撃』(ミネルヴァ書房)を読む。昭和戦前期、1920年代半ばから30年代半ばにかけて当時のインテリや学生たちはマルクス主義に大いに惹かれ(左傾)、そしてそこから遠ざかった(転向)。そのありさまを何人かの具体例をとおして検証した本である。清水幾太郎研究の一環としての読書であるが、授業の準備や雑用の合間をぬっての読書には格別の味わいがある。
  チネチッタ川崎で韓国映画『母なる証明』を観る。ポン・ジュノ監督の作品を観るのは『殺人の追憶』(2003年)に次いで2本目だが、前作に劣らぬ傑作だった。冒頭、年配の女性が一人野原で踊る意味不明なシーンから早くも作品の世界の中に一気に引き込まれていく(ちなみにこのシーンは結末のシーンと見事に呼応している)。息子が殺人事件の容疑者として逮捕される。息子の無実を証明すべく奔走する母親。彼女は真犯人をつきとめることができるのか。緻密に構成されたミステリーであると同時に、母と子の絆を描いた感動的な(衝撃的な)ヒューマンストーリーでもある。